食欲不振とは、文字通り「食欲が振るわない・わかない」という状態を意味します。
どなたでも一度は、「食べていないのにお腹が空かない」「食事がのどを通らない」という経験をされたことがあるのではないでしょうか。
たとえば、
- 仕事で疲れがたまっている
- ショッキングな出来事を経験した
- 大きな悩みを抱えている
など、日々の生活の中で、食欲が落ちてしまうシーンは少なくありません。
そんなときは、しっかりと休息をとったり、不安を解消したり、気分をリフレッシュすることで、またいつものように食欲が戻ってくる場合がほとんどです。
一方で、数日以上にわたって食欲がない状態が続く場合は、一度、かかりつけ医に相談することをお勧めします。
なぜなら、食欲不振の背景には、身体やこころになんらかの問題が起こっている可能性が考えられるからです。
お腹が空くと感じるのは?
食欲不振は、「食欲を感じなくなっている」と思い込んでいるだけで、実際、本当に食事が不要になったわけではありません。
本来はしばらく食事をしていないと徐々に血糖値が下がっていき、胃が空っぽな状態になると収縮して、脳の視床下部にある摂食中枢という場所が刺激されるメカニズムになっています。すると私たちは、「お腹が空いた」と感じます。
つまり食欲不振はなんらかの原因によって「脳が食欲を感じにくくなっている状態」と表現できます。
食欲不振は何科を受診する? – 受診の目安
食欲がわかない状態は、そう珍しいことではありません。しかし、そう言えるのはあくまでも「一時的な場合」です。食事を摂らない時間が続くと低血糖状態に、そして何日も何も食べない状況が続くと、低栄養状態によって身体にもこころにも悪影響を及ぼします。
何日にもわたり食欲不振が続くようなら医療機関を受診しましょう。すでに持病をお持ちで、かかりつけ医の先生がいらっしゃる方は、早めに相談してください。
かかりつけ医がおらず、食欲不振とあわせて
- 胃痛や吐き気の症状がある
- 下痢が続いている
- 発熱がある
- 体重減少がみられる
このような症状がみられる場合は、「消化器内科もしくは内科」を受診してください。
一方で、
- やる気が起きない
- 気分の落ち込みが激しい
- 強いストレスを感じている
- 憂鬱な状態が続いている
など、こころになんらかの異変を感じている方は、「精神科や心療内科」を受診してください。
食欲不振の状態が続くと、「自分の心身が弱っている」という気持ちが強くなり、日に日に不安感も増してしまう傾向があります。さらに食欲不振が深刻化するという悪循環が起こる可能性も少なくありません。
なるべく早めに適切な治療へとつなげるためにも、「単なる食欲不振」と思わずに早めに行動しましょう。