ありませんが、糖尿病治療薬と併用には注意してください。
リベルサスと飲み合わせの悪い薬はありません。しかし、インスリンなど血糖値を下げる糖尿病治療薬と併用すると、血糖値が下がり過ぎてしまうことがあるため注意が必要です。
また、レボチロキシン製剤(甲状腺ホルモン製剤)と併用すると、リベルサスの消化・吸収を遅らせる作用や、レボチロキシン製剤の作用を強めるリスクがあることを知っておきましょう。
食欲を抑え、ダイエット効果が期待できると人気を集めているGLP-1ですが、その多くは自分で定期的に注射する必要があります。しかし、GLP-1には、経口薬(飲み薬)もあります。それは、リベルサスです。
今回はGLP-1唯一の経口薬リベルサスのダイエット効果や危険性、注意点をわかりやすく解説します。
目次
リベルサス(一般名:セマグルチド※遺伝子組換え)は2023年9月時点で唯一のGLP-1の経口薬(飲み薬)です。
2021年2月に国内で販売が開始された比較的新しいGLP-1で、アメリカ、カナダ、デンマーク、スイス、オランダ、英国、スウェーデンでも販売されています。
GLP-1は元々2型糖尿病の治療薬で、血糖値が高くなると膵臓のβ細胞に直接働きかけ、内因性インスリンを分泌させ、また肝臓の新生を促すグルカゴンの分泌を制御し、体内にブドウ糖が増えるのを抑えることにより血糖値の上昇を防ぎます。
GLP-1は胃酸で分解されやすい成分のため、今までは注射薬しか発売されていませんでした。
しかし、吸収促進剤であるSNAC(サルカプロザートナトリウム)300mgを含有させることで、胃酸からGLP-1を守るだけでなく、GLP-1の吸収がスムーズになることがわかりました。
この働きを活用したのが、GLP-1経口薬リベルサスなのです。
リベルサスには以下のようなダイエット効果が期待できます。
順に解説します。
リベルサスの主成分であるGLP-1は、膵臓に働きかけ血糖値が高いときにインスリンを多く分泌させます。その結果、血糖値が適正範囲内にコントロールされ、満腹感を保ちやすくなります。
また、血糖値の乱高下も防げるので、本当は満腹なのに急激に血糖が下がったときに感じやすい「偽の空腹感」が減り、結果として食欲を抑えダイエットにつながるのです。
摂取しすぎた糖分が体内で消費されないと、中性脂肪に変換され内臓脂肪として蓄積してしまいます。
リベルサスを服用し、体内のブドウ糖を有効に活用できるようになると、糖分が脂肪に変化するのを防ぐ効果が期待できます。
リベルサスを服用すると、摂取したブドウ糖を有効活用するサイクルが体内でできあがります。運動していなくても、ブドウ糖を有効活用できるようになるため、代謝がアップします。
同じ量の食べ物を食べても太りにくくなるため、痩せやすい体質になります。
参考:2型糖尿病治療剤 経口 GLP-1 受容体作動薬: 経口セマグルチド(リベルサス® 錠)の薬理学的特性と 臨床試験成績 日薬理誌(Folia Pharmacol. Jpn.)157,146~154(2022)
リベルサスは国内で承認されている薬ですが、国内での適応は2型糖尿病の治療薬に限定されています。
2023年9月時点で、アメリカのFDA(アメリカ食品医薬品局:Food and Drug Administration)では、肥満治療薬としてその効果や安全性が認められています。
しかし、日本国内ではリベルサスの肥満治療薬としての効果や安全性は保障されておらず、ダイエット目的で使用することは認められていないため、予期せぬ副作用や合併症を引き起こすリスクがゼロではありません。
また、海外から個人輸入を検討している方もいるかもしれませんが、薬の個人輸入について厚生労働省が以下の注意喚起をしています。
以上より、医薬品等の個人輸入については、通常、メリットよりも危険性(リスク)のほうが大きい場合が多いと考えられます。そうした外国製品によって不利益を被るのは、それを購入・使用するあなた自身や、あなたの家族であることに留意して下さい。
引用:厚生労働省|医薬品等を海外から購入しようとされる方へ
2023年9月現在、リベルサスを安全に飲むためには、医療機関を受診し処方を受ける必要があります。自身の体調や持病などからリベルサスを安全に飲めることを、医師が判断しなければなりません。
リベルサスのダイエットを検討している方は、取り扱いのある医療機関を受診してご相談ください。
リベルサスを服用すると、以下のような副作用が起こる可能性があります。
リベルサスを飲み始めて数日~数週間は、
などの消化器症状を自覚することがあります。
吐き気や下痢は20人に1人程度、その他の症状は100人に1人程度と頻度は多くありませんし、服用を続けている中で、自然に症状が落ち着いていくケースがほとんどです。
しかし、症状が長く続く場合や、吐き気を伴う激しい腹痛を自覚した場合には、膵炎などの重篤な副作用の可能性があります。
その場合は、リベルサスを飲むのをやめ、速やかに医師の診察を受けてください。
低血糖症状とは、血糖値が下がり過ぎたことで以下のような自覚症状が現れる状態です。
など
基本的に低血糖症状は、インスリン製剤又はスルホニルウレア剤(SU)とリベルサスを併用時しているケースに多くいと報告されています。
しかし、これらの製剤を使用していないダイエット目的の方に低血糖症状が出現しないわけではないため、注意が必要です。重症な低血糖症状では意識を失ったり、最悪の場合亡くなってしまう場合もあります。
低血糖症状を自覚したら、直ぐにブドウ糖を多く含むジュースや飴などを取り、血糖値を上げるようにしましょう。
リベルサスは、誰でも安全に飲める薬ではありません。リベルサスの薬剤添付文書を参考に、リベルサスを飲んではいけない人(禁忌)を紹介します。
【リベルサスを服用できない人】
【禁忌(次の患者には投与しないこと)】
2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.2 糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、1型糖尿病の患者[インスリン製剤による速やかな治療が必須となるので、本剤を投与すべきでない。
2.3 重症感染症、手術等の緊急の場合[インスリン製剤による血糖管理が望まれるので、本剤の投与は適さない。
引用:禁忌含む使用上の注意 リベルサス® MSD Connect
そのほかにも、以下の方はリベルサスを飲む際に注意が必要です。
【リベルサスの服用に注意が必要な人】
リベルサスを飲むと、低血糖を起こしたり、膵臓に負担がかかって膵炎を発症したりする可能性があります。
リベルサスを使用する場合には、これらの注意点を十分に理解し、また体調不良を自覚したら速やかに医師に相談しましょう。
ここからは、リベルサスでのダイエットが適しているのはどんな人か解説します。
【リベルサスでのダイエットが適している人】
リベルサスを使用したダイエットでは、血糖値をコントロールするだけでなく、自然と食欲が抑えられる効果が期待できます。
また、その他のダイエット方法では上手くいかなかった方、どうしても食欲を抑えられない方は、リベルサスでのダイエットを試されてはいかがでしょうか。
GLP-1ダイエットをしたいのに、注射は嫌だという方は、唯一のGLP-1内服薬リベルサスでのダイエットが適しています。
ここでは、リベルサスでのダイエットの行い方の3つのポイントをご紹介します。
リベルサスでのダイエットを始めるためには、医療機関を受診し、医師にリベルサスを処方してもらう必要があります。
リベルサスには3mg、7mg、14mgの3つの規格がありますが、初めてリベルサスを飲む場合には、3㎎からスタートします。その後、副作用が無いか確認しながら、治療を継続していきます。飲みはじめて1ヵ月が経過した後、必要に応じて7㎎へ増量しますが、増量後に効果が実感できなくなると、体重の推移や体調を見ながら、最大14㎎まで増量可能です。
しかし、リベルサスのダイエット効果を実感できないからといって、自己判断で2錠飲んではいけません。胃の中でリベルサスの吸収が妨げられ思うような効果が得られなかったり、強い副作用が出てしまったりする可能性があるからです。
リベルサスを増量したい場合は、必ず医師に相談してください。
リベルサス自体は治療開始後、直ぐに効果を示しますが、ダイエット効果には個人差があり、直ぐに減量できる方から1~3ヶ月程度の時間がかかる方もいます。
いずれにしても、リベルサスは飲み続けることで代謝や体質が改善され、結果としてダイエット効果が得られる薬ですので、焦らず飲み続けるようにしたいですね。
リベルサスの正しい飲み方には、以下の5つのポイントがあります。
順に解説します。
GLP-1は、胃酸で分解されやすいという特徴があります。そのため胃の中に食べ物がある状態では胃酸が多く分泌されているため、リベルサスの有効成分が分解され十分なダイエット効果が期待できなくなってしまいます。
リベルサスを飲む前の食事との間隔を6時間以上あけた方が、より薬の吸収が良くなったという報告もあるので、起床してすぐの空腹時に服用するようにしましょう。
リベルサスの臨床試験結果によると、水を飲む量が多すぎると有効成分の吸収効率が悪くなることが報告されています。また、水の量は120ml以下であれば、50mlでも120mlでも有効成分の吸収効率に差はありませんでした。
これらの臨床試験結果から、コップ半分、約120ml以下の水で飲むことが推奨されているのです。
なお、服薬ゼリーは、有効成分の吸収効率が悪くなりますので使用することができません。
参考:リベルサス 添付文書
リベルサスの有効成分を最大限吸収するには、30分間は飲食を控えてください。ここで重要なことは、水・食事だけでなく、サプリメントや他の薬を飲むのも控えた方がよいということです。
また、リベルサスを飲んだ後30分後に食事をするよりも、60分後に食事をした方が、治療効果が高まると報告されています。
副作用の無い方で、リベルサスのダイエット効果をより強く得たい場合には、内服から30分と言わず、60~120分程度時間を空けて、食事をするとよいでしょう。
参考:リベルサス 添付文書
リベルサスは、湿気や光にとても弱い薬です。そのため、あらかじめシートから取り出していたり、ピルケースに移していたりすると薬の効果が弱くなる可能性があります。
錠剤は、飲む直前にシートから取り出しましょう。
錠剤を割ったり、嚙み砕いたりすると、胃の中での有効成分の溶ける速度が変化し、吸収効率が悪くなる可能性があります。
割ったり噛み砕いたりしないようにしましょう。
最後に、リベルサスに関するよくある質問をまとめました。「まだまだリベルサスについて、わからないことがある」という方は、ぜひお読みください。
リベルサスは保険適用になる場合と、ならない場合があります。
以下に、その違いを簡単にまとめましたので、参考にしてください。
保険適用になる場合 |
2型糖尿病の診断を受けた |
---|---|
保険適用にならない場合 | あくまでダイエットなどの目的で処方された |
ありませんが、糖尿病治療薬と併用には注意してください。
リベルサスと飲み合わせの悪い薬はありません。しかし、インスリンなど血糖値を下げる糖尿病治療薬と併用すると、血糖値が下がり過ぎてしまうことがあるため注意が必要です。
また、レボチロキシン製剤(甲状腺ホルモン製剤)と併用すると、リベルサスの消化・吸収を遅らせる作用や、レボチロキシン製剤の作用を強めるリスクがあることを知っておきましょう。
リベルサスを飲んでから、二度寝するのは問題ありません。
リベルサスを飲んでから、食事まではある程度時間をあける必要があります。
30分食事を我慢することが難しい人は、二度寝してしまうのもよいかもしれませんね。
副作用のひとつとして、眠気を感じることがあります。
リベルサスの副作用で、低血糖症状の1つとして眠気を感じることがあります。眠気を自覚するほど血糖値が低くなっていると、冷や汗や気持ち悪さ、言葉の出にくさなど、他の症状も現れるケースが少なくありません。
もし眠気を自覚したら、すぐにブドウ糖を摂取してください。
ブドウ糖を摂取しても症状が改善しない場合は、速やかに医療機関を受診してください。
リベルサスのシートが縦に切れない理由は?
リベルサスのシートを縦に切ってしまうと、薬剤の密閉性が保てなくなる可能性があります。その結果、品質の安全性が低下するリスクがあるため、リベルサスのシートは縦に切れないようになっているのです。
リベルサスのシートは、ミシン目以外で切らないようにしてください。
リベルサスは、GLP-1唯一の飲み薬です。1日1回継続して飲むことで、インスリンの吸収や代謝を改善し、食欲を抑え、ダイエット効果を発揮します。
リベルサスを飲む際には「起きたばかりの空腹のタイミングで指示された量を飲む」「コップ半分(120ml)より少ない量の水で飲む」「リベルサスを飲んだらその後30分以上は何も食べたり飲んだりしない」などの、服用のポイントを守るようにしてください。
これらのポイントを守ることで、リベルサスの有効成分が公立的に吸収され、より高いダイエット効果が期待できるのです。
また、リベルサスはドラッグストアなどで買うことはできないお薬です。一部SNSやインターネットサイトでは、海外から個人輸入できると謳っているものもありますが、安全上から決しておすすめできません。
リベルサスの処方には、医師の診察が必要です。リベルサスでダイエットをしたい方は、ぜひ一度取り扱いのある医療機関へご相談ください。
UnMed Clinic Motomachi髙倉 一樹 先生
横浜市中区元町にあります「UnMed Clinic Motomachi 」院長の髙倉です。地元横浜でクリニックを開院しています。
今までに学んできた事、経験した事を最大限活かし、医学と科学をしっかり結び付けながら、患者さんに求められている医療を最大限表現したいと思います。そのために、今の時代の流れの中で、積極的に新しいものを取り入れながら、地元への医療貢献、さらにはここ横浜からグローバルな医療を皆様にお届け出来る様、精一杯努力する所存でおります。
現在、当院ではオンライン診療を立上げ、メディカルダイエット(肥満外来)、不眠症外来、コロナ後遺症外来を実施しております。全国の患者様に対応しておりますので、お気軽にホームページのオンラン診療予約からご予約ください。
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