カナグルにダイエット効果はある?痩せると言われる理由や飲み方を解説
- UnMed Clinic Motomachi 髙倉 一樹 先生
- #内科
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現在メディカルダイエットで使われている話題の「デベルザ」。デベルザは糖尿病治療薬ですが、体重減少の効果があるため現在ダイエット外来でも取り扱われています。
「デベルザのダイエット効果が知りたい」
「ダイエットでデベルザを使用してみたいけど、副作用が気になる」
という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では医師監修のもと、デベルザというお薬について、効果や副作用・注意点について詳しく解説します。この記事を読めば、デベルザに対する疑問が解決できるでしょう。
デベルザは「トホグリフロジン」という成分で、SGLT2阻害薬に分類される糖尿病治療薬です。
SGLT2阻害薬は体内の過剰な糖を尿中へ排出する作用によって、血糖値を低下させます。吸収される糖質の量が減るため、体重減少の効果があり医療ダイエット(メディカルダイエット)でも使われるようになりました。
デベルザと同じ成分のトホグリフロジンには、以前「アプルウェイ」という薬も存在していました。2020年にアプルウェイは販売中止になり、現在トホグリフロジンの成分の薬はデベルザのみとなっています。ジェネリックはまだ発売されておりません。
SGLT2阻害作用の薬は数種類ありますが、その中でもデベルザは半減期(血中の薬物濃度が半減するまでの時間)が5.4時間と短く、夜間の頻尿などの副作用が起こりにくいのが特徴です。また他のSGLT2阻害薬と比べて、錠剤が小さく飲みやすいのもポイントです。
SGLT2阻害薬のデベルザは、腎臓に作用して血糖を降下させる薬です。
腎臓は血液を濾過して、体内の不要なものを排出する働きがありますが、必要な栄養分は血中へ再吸収されます。SGLT2は腎臓に存在し、腎臓から血中への糖質の再吸収をする役割があるタンパク質です。デベルザは、このSGLT2を選択的に阻害する作用によって、糖質の再吸収を抑制し糖を尿中に排泄させます。
そのため血糖を下げる効果だけでなく、糖質の摂取カロリーの減少によって、体重低下や肥満改善につながります。
どのくらいの期間服用すれば効果が出てくるのかは、個人差があるため一概には言えません。しかし、デベルザの単独投与試験では24週投与した結果、体重が約3kg減少したという報告があります。
参照:厚生労働省|健康づくりのための運動指針 2006~生活習慣病予防のために~
デベルザの使用で起こりうる可能性のある副作用は、主に以下の通りです。
それぞれの副作用の症状や、発現率について解説します。
もし副作用症状が出た場合は、早めにかかりつけのクリニックに相談するのが重要です。例えば低血糖症状が現れた場合は、すぐに糖分を補給するなどの対処法が必要になります。
副作用症状が続く場合は、薬の服用を中止した方がいいケースもあるため、必ず医師の指示に従って行動するようにしましょう。
デベルザの服用によって、過度な口渇の副作用発現の報告があります。腎臓に作用するため尿量が増えることにより脱水症状につながり、口腔内の乾燥・のどの渇きの症状がみられる場合があります。脱水症状を防ぐためにも、服用中はこまめな水分補給が重要です。
口渇の副作用の発現頻度は5%以上です。
血中の糖を排出させるため、顕著に現れやすい副作用は低血糖です。低血糖の症状は、どれだけ血糖値が下がっているかによって変化します。軽い低血糖の場合は、冷や汗や動悸やふるえ、極度の空腹感などです。血糖がさらに下がると、めまいや眠気やあくび、集中力の低下などが出てきます。ひどい場合は、昏睡状態に陥り意識がもうろうとしてきます。
低血糖の発現頻度は1.5~38.6%となっており、比較的起こりやすい副作用といえるでしょう。低血糖症状が現れた場合は、早めに糖質を含む食品を摂取するなどの対処が必要です。
先ほど説明した低血糖の初期症状では脱力感や異常な空腹感が挙げられます。体に力が入らなくなるような脱力感の症状や、急に襲ってくる空腹感が出てくる場合は低血糖の初期症状の可能性があります。早めに糖質の摂取をするようにしましょう。
薬の成分にアレルギーがあった場合に、皮膚の発疹の副作用が起こることがあります。薬を服用し始めて突然皮膚の一部が赤くなったり、プツプツした盛り上がりなどが出てきたりするような症状です。
副作用の頻度としては1%以下で、非常に起こりうる可能性は低いですが、発疹が現れた場合は薬が合わない可能性もあるため、早めに医療機関を受診して相談しましょう。
デベルザの尿から糖を排出する作用により、尿量が増えて頻尿になる傾向があります。トイレに行く回数が増えたり、夜間のトイレで睡眠がとりにくくなったりするケースも。
頻尿の副作用発現頻度は5%以上の報告があります。
デベルザは尿中に糖を排出させるため、膀胱に溜まった尿は糖分が多く細菌が感染しやすい状態です。そのため、膀胱炎や尿路感染のリスクが報告されています。トイレが近くなったり、残尿感や排尿時の痛みなどの症状が出ます。感染させないためには、陰部を清潔に保つのが大事です。
尿路感染は、1~5%未満の発現頻度が報告されています。
膀胱炎や、尿路感染などのリスクがあるのと同様に、膣カンジダなどの性器感染症の副作用もあります。カンジダになると、陰部に強いかゆみなどを伴います。陰部を清潔にし、なるべく感染リスクを減らしましょう。
性器感染症の発現頻度は1~5%未満です。
デベルザの使用方法について説明します。服用するにあたって、正しい用法・用量を知っておきましょう。
デベルザは、1錠(20mg)を1日1回朝食前又は朝食後に服用します。必ず医師の指示通りに服用するようにしましょう。もし飲み忘れてしまった場合は、気がついた時点でなるべく早く飲み忘れた分を服用する必要があります。
しかし、次に服用する時間が近い場合は、飲み忘れた日の分は飛ばして服用しましょう。
デベルザは2型糖尿病の治療で使われる薬のため、糖尿病でない人は自由診療の扱いとなり、負担は全て自費となります。体重減少などのダイエット効果を期待して使ってみたい場合は、ダイエット外来を受診して服用しても問題ないか医師の診断が必要になります。
デベルザの使用に注意が必要な人や、使用できない人がいる理由について詳しく解説します。
【デベルザの使用に注意が必要な人】
尿路感染や性器感染症がある人は、デベルザの服用によって尿中の糖質量が増えるため症状を悪化させる可能性があります。また、激しい運動や過度なアルコール摂取をする人、脳下垂体機能不全又は副腎機能不全の人は低血糖を起こすおそれがあるため注意が必要です。
利尿剤を服用している人や、高齢者は脱水症状のリスクがあります。使用すると、重篤な副作用を引き起こす場合があり、低血糖や脱水症状によって昏睡状態に陥るかもしれません。
【デベルザを使用できない人】
成分のトホグリフロジンに対して過敏症がある方は、成分が体に合わないので使用できません。使用するとアレルギー症状を引き起こす場合があります。
また、1型糖尿病の人は低血糖のリスクが上るため使用できません。デベルザは腎臓に作用するお薬のため、腎機能障害のある人には投与しないこととされています。
妊婦への投与も禁忌となっており、成分が乳汁中へ移行する報告もあるため授乳婦も服用は避けるのが望ましいです。もし服用する場合は、授乳を避けましょう。
ダイエットの効果を期待してデベルザの使用を始めるには、まず医療機関へ行って相談することから始めましょう。ダイエット外来を受け付けている病院へ受診するのがおすすめです。メディカルダイエットでデベルザを取り扱っている医療機関であれば、相談しやすいでしょう。
最初は問診や検査などを行い、検査結果などで服用に問題がなければ使用が開始できます。使用するにあたって、必ず医師の指示通りに服用し、服用の注意点は守るようにしましょう。
糖尿病ではない方が使用する場合、デベルザは自費となるため費用は病院によって異なります。だいたい1ヶ月で約16,000円〜で提供しているクリニックが多いです。
最後に、デベルザに関するよくある質問に回答します。
デベルザを朝に使用する理由は?
デベルザは糖を尿中に排泄させるため、トイレが近くなる可能性があります。なるべく、夜間頻尿を避けるためにもデベルザは朝の服用が推奨されています。またデベルザは作用時間が短いため、朝に服用して日中に効果を発揮させ、夜は尿糖の排泄を少なくさせた方が頻尿を防げるでしょう。
服用方法を誤ると尿検査では尿糖が陽性になるため注意が必要です。
尿糖とは、血液中から尿中に排泄された糖分のことです。デベルザは、糖の再吸収を抑制して糖を尿中に排出させるため、血糖値は下がりますがきちんとデベルザを定期服用していれば、むしろ尿検査では尿糖が陽性となります。病院などで尿検査される場合は、デベルザを服用していることを伝えておきましょう。
デベルザの使用によって、頻尿になるリスクがあります。
尿から糖を排出させる作用により、尿量が増大する可能性があります。
デベルザは他のSGLT2阻害薬に比べて作用時間が短いため、朝の服用により夜の排尿回数が少なくなるといわれています。
今回は、糖尿病治療で使われるデベルザという薬のダイエット効果、主な作用の仕方や注意点や副作用について解説しました。
糖を尿中に排泄させるSGLT2阻害薬は、体内の摂取カロリーの減少によって体重が減らせる効果があります。メディカルダイエットとしても注目されるお薬ですが、低血糖などのリスクもあり服用においては注意が必要です。必ず医療機関に相談し、問診や検査結果から服用してもいいか医師の診断を受けてから服用するようにしましょう。
基本的にダイエットには栄養バランスの取れた食事や、適度な運動を取り入れるのが大事です。薬の服用だけに頼らず、健康的な生活を普段から意識しましょう。
当記事を監修しているNOBUヘルシーライフ内科クリニックでは、対面での医療ダイエット外来を行っております。
オンライン診療でデベルザ等のSGLT-2阻害薬やGLP-1処方対応を行っている医療機関が世の中には存在しますが、SGLT-2阻害薬およびGLP-1処方の妥当性も確認しないまま儲け主義で処方しているいい加減なクリニックが多いのが現状です。副作用の出現の見落としなど患者さんの健康を守るという観点において安全上の問題でリスクが高いことから当クリニックではオンライン診療でのSGLT-2阻害薬およびGLP-1処方は行っていません。
またデベルザ等のSGLT-2阻害薬やGLP-1は糖尿病の治療薬ではありますが、美容クリニックを中心に糖尿病どころか内科の診療経験もない皮膚科形成外科などの医師が処方を行っている医療機関が目立つため注意が必要です。
ホームページで所属医師の経歴を見れば医師の専門性の確認が可能です。
デベルザ等のSGLT-2阻害薬やGLP-1を使用するダイエットは肥満症の治療という目的で行う医薬品を用いる医療行為であり、副作用など健康上のリスクがあり得ます。なので糖尿病や内科の診療経験が豊富な医療機関で処方してもらうのが良いでしょう。
※なお、当クリニックにおける医療ダイエット外来では、SGLT-2阻害薬の中で最も体重減少効果が高い『カナグル』という薬剤を採用しております。
NOBUヘルシーライフ内科クリニック藤原 信治 先生
東京都板橋区にあります『NOBUヘルシーライフ内科クリニック』を運営している院長の藤原信治と申します。
当クリニックは一般保険診療としては糖尿病・高血圧症・脂質異常症などの生活習慣病や腎臓病の診療に強みがあるクリニックですが、美容内科として医療ダイエット外来を中心とする肥満症治療(メディカルダイエット)を行っています。
肥満症は外見上の問題だけでなく、上記の生活習慣病が発生する原因にもなる為、予防医療の一環として当クリニックは美容内科診療にも力を入れています。
具体的には、安全性と有効性が証明されている処方薬で体脂肪と体重を減少させたり、脂肪冷却ダイエット装置(当クリニックではクールテックディファインという既存の他製品より優れた脂肪冷却性能を有する機器を採用)を用いて冷却した皮下脂肪を物理的に消失させる施術を行っています。
皆さまのかかりつけ医として、『親しみやすく分かりやすい診察』を心がけ、安心して受診していただけるクリニックを目指しています。
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