治療目的のみ、保険適用になります。
糖尿病を治療するためにオゼンピックを使用する場合は、保険適用になります。一方で、それ以外の目的の場合は、自費診療扱いとなります。
オゼンピックとは、2型糖尿病治療用の薬です。近年では、ダイエット効果があるとされ、さまざまな年代の人に使用され始めています。
本記事では医師監修のもと、オゼンピックのダイエット効果や使用方法、副作用や使用上の注意点などについて解説します。これからオゼンピックの使用を検討している人や、現在使用している人は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
オゼンピックとは、2型糖尿病治療のために活用されるGLP-1受容体作動薬の一種です。服用することで、インスリンの分泌を促し、血糖値を下げる作用があります。GLP-1は、食欲抑制作用が見込めるため「痩せるホルモン」とも呼ばれており、ダイエット効果を期待して活用する人もいます。
インスリン注射の場合は、インスリンそのものを注射します。一方で、オゼンピックはインスリンの分泌を促進します。いずれも血糖値を下げる効果が期待できます。違いは、インスリンを体内で分泌させるのか、外から新たにインスリンを加えるのかという点です。
GLP-1受容体作動薬には、オゼンピックのほかにサクセンダやビクトーザ、リベルサスなどの種類があります。主な違いは以下の通りです。
タイプ | 用法・用量 | |
---|---|---|
オゼンピック | 皮下注射 | 週1回0.25mg~1.0mg |
サクセンダ | 皮下注射 | 1日1回0.6mg~3.0mg |
ビクトーザ | 皮下注射 | 1日1回0.3mg~1.0mg |
リベルサス | 経口薬 | 1日1回3mg~14mg |
リベルサスのみ経口薬で、それ以外は皮下注射する方式です。用法・用量については、オゼンピックのみ週1回の投与で問題ありません。日々の服用、投与に抵抗がある人は、オゼンピックを活用することをおすすめします。
オゼンピックにより、ダイエット効果が得られる理由は以下の通りです。
オゼンピックを投与することで、満腹中枢に作用し、食欲を抑える効果が期待できます。また、胃のはたらきを緩やかにするため消化の時間が長くなり、食事の満腹感が持続しやすくなるでしょう。脂肪を分解しやすくする作用も期待できるため、ダイエット効果が見込めます。
オゼンピックの場合、週に1回皮下注射をしなければなりません。1度注射することで、1週間程度は空腹感がやわらぎます。これを実感しながら注射を継続することで、1〜2ヶ月で体重減少が期待できるでしょう。
ただし、効果の感じ方には個人差があります。また、用法・用量を守らなければ、効果が出にくいとされています。オゼンピックを使用する際は、必ず正しい知識のもと、正しく使用しましょう。
オゼンピックでのダイエットが適している人の特徴は、以下の通りです。
オゼンピックには脂肪分解を促進し、食欲を抑制する作用があります。そのため、肥満体質の人におすすめです。また、どうしても食欲が抑えられずに食べ過ぎる人や、運動が苦手で時間がとれない人にも有効です。
上記に該当する人は、専門の医師に相談の上、オゼンピックの使用を検討することをおすすめします。
週1回0.25mgから投与を開始し、4週間投与後、週1回0.5mgに増量します。もし、週1回0.5mgを4週間以上投与しても効果が見込めない場合は、週1回1.0mgまで増量可能です。週1回投与する際の曜日は、同一曜日にしましょう。(毎週月曜日に投与するなど)
万が一投与を忘れた場合は、次回投与までの期間が2日間(48時間)以上あれば、気づいた時点で速やかに投与しましょう。その後、あらかじめ決めた曜日に投与してください。もし、週1回投与の曜日を変更する必要がある場合は、前回投与から少なくとも2日間(48時間)以上の間隔を空けておきましょう。
オゼンピックは基本的に、自分で投与を継続する必要があります。そのため、正しい投与方法を身につけなければなりません。オゼンピックの打ち方の手順は、以下の通りです。
【オゼンピックの打ち方の手順】
ペンに注射針を取り付ける際は、ゴム栓に対し、まっすぐ奥まで刺しましょう。投与量を設定する際は、ダイアル表示が「0」になっていることを確認し、必要な量を設定してください。皮下注射時は、親指で注入ボタンを押す際に、皮膚の面に対して注射針まっすぐになる位置で刺しましょう。
完全に薬液を注入するため、注入ボタンを押した状態で6秒以上、注射針を刺したままにする必要があります。針を抜く際は、注入ボタンを押したままの状態で抜いてください。
オゼンピックを保管する際は、箱などに入れた状態で直接光が当たらないように注意しましょう。
凍結を避け、2〜8℃の冷蔵庫で保管してください。
オゼンピックの主な副作用は、以下の通りです。
【主な副作用】
これらの症状は、投与を始めて初期の頃から発症しやすいとされています。症状が確認された場合は、投与を中止するなどの処置をとりましょう。
【重大な副作用】
低血糖になると、めまい・頭痛・動悸・振戦・倦怠感・脱力感・高度の空腹感・冷汗・顔面蒼白・視覚異常などの症状が起こります。これらの症状が認められた場合は、糖質を含む食品を摂取するなどの処置を行いましょう。
急性膵炎になると、持続的な激しい腹痛や嘔吐を伴います。これらの症状が発生した場合は、投与を中止し、適切な処置を行いましょう。もし膵炎と診断された場合は、再投与してはいけません。
胆嚢炎になると胆嚢に炎症が生じ、上腹部に不快感や鈍痛が生じます。症状が進行すると、次第に激痛が生じるでしょう。胆管炎は、胆管に感染が生じる疾患です。進行すると、意識が混濁し、ショック状態に陥ります。発症した場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。
胆汁うっ滞性黄疸になると、胆汁の流れが減少または停止します。そのため、濃い色の尿や薄い色の便がでるようになり、全身にかゆみが生じます。発症した場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。
※オゼンピックに限らず上記の副作用はGLP-1ダイエットに共通して理論上出現可能性があるものにはなりますが、いずれの薬剤も基本的に用法用量を遵守し適正使用する限りにおいては安全性に問題はないと判断され世に出ています。そして、上述の特に重大な副作用の発生頻度は極めて低い為、これらの副作用の出現に関して過度に恐れる必要はないと考えます。
オゼンピックを使用できない人の特徴は、以下の通りです。
上記に該当する人がオゼンピックを投与した場合、十分な効果が得られない可能性があります。また、重篤な健康被害に発展する可能性があるため、該当する人は使用しないようにしましょう。
オゼンピックに関するよくある質問を以下にまとめました。これからオゼンピックの使用を検討している人や、現在使用している人などは参考にしてみてください。
治療目的のみ、保険適用になります。
糖尿病を治療するためにオゼンピックを使用する場合は、保険適用になります。一方で、それ以外の目的の場合は、自費診療扱いとなります。
注射時は、痛みが生じます。
オゼンピックの注射時は、痛みが生じます。しかし、オゼンピックを注射する際に使用される針は、採血などで使用する際のものと比較すると非常に細い形状です。そのため、ほとんど痛みを感じないでしょう。
オゼンピックを注射する際、冷蔵庫から取り出した直後の冷たい状態のまま使用すると、痛みを感じやすいとされています。そのため、注射する際は冷蔵庫から取り出し、15分程度常温に戻してから使用しましょう。そうすることで、痛みがやわらぎます。
個人によって、効果の出方は異なります。
オゼンピックを打てば、必ずダイエットの効果が出るわけではありません。また、個人によって、効果の出方は異なります。オゼンピックを投与した状態で食べすぎてしまうと、効果は得られないのです。
大切なのは、オゼンピックの投与と併せて、食生活の改善を行うことです。食べる回数や、食べる量を自身でしっかり管理し、栄養バランスに配慮した食生活を心がける必要があります。
違法ではありません。
違法ではありませんが、オゼンピックを痩身目的で使用することについては、議論が起きています。オゼンピックを投与することで、副作用のリスクもあります。そのため、使用する際は医師に相談の上、判断しましょう。
オゼンピックとは、2型糖尿病治療のために活用される、GLP-1受容体作動薬です。服用することで、インスリンの分泌を促し、血糖値を下げる作用が期待できます。オゼンピックは他のGLP-1受容体作動薬と比較し、投与回数が少ない薬です。
他の薬は1日1回の投与が必要であるのに対し、オゼンピックの場合は、週1回の投与で問題ありません。日々の服用、投与に抵抗がある人は、オゼンピックを活用することをおすすめします。また、以下の特徴を持つ人は、オゼンピックがおすすめです。
オゼンピックは、満腹中枢に作用し、食欲を抑える効果があります。また、胃のはたらきを緩やかにするため、消化の時間が長くなり、食事の満腹感が持続しやすくなるでしょう。脂肪を分解しやすくする作用も期待できるため、ダイエット効果が期待できます。
しかし、オゼンピックにはさまざまな副作用があります。食欲減退や悪心、めまいや頭痛などの副作用だけでなく、低血糖や急性膵炎、胆嚢炎や胆管炎などの疾患が生じることがあるでしょう。オゼンピックの適用条件に合致しない場合、重篤な健康被害が起きる可能性もあります。また、正しい用法用量を守れなければ、期待する効果が得られません。
オゼンピックを使用する際は、医師にしっかり相談した上で、薬を処方してもらいましょう。食事管理を徹底しながら、正しい使用方法のもと、オゼンピックを使用してください。
NOBUヘルシーライフ内科クリニック藤原 信治 先生
東京都板橋区にあります『NOBUヘルシーライフ内科クリニック』を運営している院長の藤原信治と申します。
当クリニックは一般保険診療としては糖尿病・高血圧症・脂質異常症などの生活習慣病や腎臓病の診療に強みがあるクリニックですが、美容内科として医療ダイエット外来を中心とする肥満症治療(メディカルダイエット)を行っています。
肥満症は外見上の問題だけでなく、上記の生活習慣病が発生する原因にもなる為、予防医療の一環として当クリニックは美容内科診療にも力を入れています。
具体的には、安全性と有効性が証明されている処方薬で体脂肪と体重を減少させたり、脂肪冷却ダイエット装置(当クリニックではクールテックディファインという既存の他製品より優れた脂肪冷却性能を有する機器を採用)を用いて冷却した皮下脂肪を物理的に消失させる施術を行っています。
皆さまのかかりつけ医として、『親しみやすく分かりやすい診察』を心がけ、安心して受診していただけるクリニックを目指しています。
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