カナグルは、医療機関を受診し、医師に処方してもらうことが可能です。
インターネットなどを通じて、海外から個人輸入されたものを使用することも可能ですが、品質や安全性が保証されず大変危険です。中には、正規品を装った偽物や、不衛生な場所・方法で製造されたものもあるでしょう。
これらを使用すると、重篤な健康被害が起こる可能性があります。そのため、カナグルを服用する際は、必ず医療機関から処方されたものを使用してください。
カナグルは、SGLT阻害薬であり、2型糖尿病に対する経口薬の1種です。
本記事では医師監修のもと、カナグルを服用することで期待できるダイエット効果や効果の根拠、飲み方を解説します。ダイエットを検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
カナグルは、SGLT2阻害薬の一種で、尿中に糖の排出を促進することで血糖を下げる2型糖尿病のための経口薬です。2型糖尿病は、血液中のブドウ糖が正常よりも多くなる疾患であり、放置すると全身の血管や神経に障害が生じます。
血液中の糖は腎臓で濾過され、血液中へ再吸収されます。カナグルを服用すると、糖が腎臓で濾過された後、血液中へ再吸収されるのを防止可能です。体内の糖を尿とともに排出することで、血糖値が低下し、糖尿病を改善します。
血液中の糖は腎臓で濾過され、血液中へ再吸収されます。カナグルを服用すると、糖が腎臓で濾過された後、血液中へ再吸収されるのを抑制し、体内の糖を尿中に排出することで、血糖値を低下させ、糖尿病を改善します。
血液中へ再吸収されるナトリウム量も減少するため、腎臓への負担が軽減でき、慢性腎臓病の改善にも役立ちます。また、糖の吸収が抑えられ、脂肪の蓄積が防止可能です。そのため、ダイエットにも効果があるとされています。
カナグルには糖の吸収を抑える役割があります。そのため、以下の効果が期待できるでしょう。
カナグルを服用することで、糖の吸収量が減り、血糖値の抑制や体重減少が見込めます。
しかし、カナグルは体内の脂肪に直接作用するわけではなく、継続的に服用することで時間をかけて糖の吸収量を減少させ脂肪の燃焼を促します。そのため、すぐにダイエット効果が得られるわけではありません。しっかりと腰を据えて取り組む必要があるでしょう。
BMI27以上の376人に、カナグル50mg・100mg・300mgを投与する群とプラセボ(偽薬)群に分け、12週間後の体重減少率を比較した論文では、最高で100mg投与の-2.9%、全体平均で-1.6%の体重減少率が確認されています。
カナグルを服用し、体重減少が確認できるまで約3ヶ月程度かかるとされています。
脂肪に直接作用が加わるわけではなく、糖の吸収量を減らし、中性脂肪に変化しにくくなることで体重減少が見込めます。
そのため、効果がすぐに出ることはなく、長期的に服用を続ける必要があるでしょう。
カナグルの主な副作用は以下の通りです。
カナグルを服用すると、尿量が増加して頻尿になります。また、疲労感や脱水症状、立ちくらみ・めまいなども起こりえます。そのため、服用時はいつもより水分補給をこまめに行うとよいでしょう。
尿により糖を排出する作用により、雑菌が繁殖するリスクが生じ、尿路付近や性器で感染症や膀胱炎が起こる可能性があります。カナグルを服用する際は、清潔な状態を維持し、感染対策を徹底しなければなりません。
また、重大な副作用としては低血糖や脱水、ケトアシドーシスや腎盂腎炎・フルニエ壊疽・敗血症などが起こりえます。上記の副作用が認められた場合は、投与を中止し、適切な処置を行う必要があるでしょう。
低血糖が認められた場合は、糖質を含む食品を摂取するなどの処置が大切です。脱水になると、頻尿や多尿、口渇や血圧低下などの症状が起きます。これらの症状が疑われる場合は、薬の服用を一定期間中止し、補液する必要があります。
糖尿病昏睡の1つであるケトアシドーシスになると、全身の倦怠感や口渇・多尿などに加え、腹痛や吐き気などが起こります。また、腎盂腎炎・フルニエ壊疽・敗血症になると、抗菌薬の投与による治療や外科手術を要する場合もあるでしょう。
カナグルは、以下の人におすすめです。
カナグルは、尿中から糖の排出を促進する作用があるため、日頃から糖質を多く摂取する方にとって、糖の吸収を有意に抑えることが出来ます。
逆に、あまり甘いものや炭水化物を好まない方では、大きな効果は得られない可能性があります。
カナグルを内服しながら運動すると、エネルギー源が糖質から脂質へ大きく移行するため、脂肪燃焼効率が高まります。
そのため、適度な運動習慣はカナグルのダイエット効果を高める可能性があります。
以下の人の場合、カナグルを服用してはいけません。
【特定の背景を有する患者に関する注意】
引用:KEGG|医療用医薬品 : カナグル
上記の他にも、高齢者の場合は、生理機能が低下していることが多いため、服用ができません。もし服用してしまうと、脱水症状の認知が遅れる可能性があります。
万が一、上記の人がカナグルを服用してしまうと、重篤な健康被害が生じる可能性があります。カナグルの服用を検討している人は、医師に相談の上、服用が可能かどうかを確認しましょう。
1日1錠(100mg)を朝食前または朝食後に服用します。毎日同じ時間に服用することで、効果が期待できます。
万が一、1日2回飲むといった形でルールを破ってしまった場合は、担当の医師に相談してください。
カナグルに関するよくある質問についてまとめました。これからカナグルの服用を検討している人や、現在服用している人などは、以下の内容を参考にしてみてください。
カナグルは、医療機関を受診し、医師に処方してもらうことが可能です。
インターネットなどを通じて、海外から個人輸入されたものを使用することも可能ですが、品質や安全性が保証されず大変危険です。中には、正規品を装った偽物や、不衛生な場所・方法で製造されたものもあるでしょう。
これらを使用すると、重篤な健康被害が起こる可能性があります。そのため、カナグルを服用する際は、必ず医療機関から処方されたものを使用してください。
低血糖などの副作用が発症するリスクがあります。
自己判断でGLP-1作動薬のリベルサスやビグアナイド薬のメトホルミンとカナグルを併用すると、低血糖などの副作用が発症するリスクが高まります。その為、他剤との併用については必ずカナグルの処方を受けている担当医と相談してください。
カナグルを夜飲むのは問題ありません。
SGLT2阻害薬に関して、持続的な血糖モニタリングを行った結果、朝食後・昼食後・夕食後のいずれにおいても食後の高血糖が改善したとされています。
参照:SGLT2阻害薬の効果と服用方法
結論として、医師の勧めるタイミングに従い、毎日同じ時間に服用することが大切です。
カナグルは、尿中に糖の排出を促進することで血糖を下げるSGLT2阻害薬の1種です。糖の吸収が抑えられるため、脂肪の蓄積が抑制され、結果的に体重が減少してダイエット効果があるとされています。
しかし、カナグルを服用してすぐにダイエット効果が出るわけではありません。効果を得るためには長期的に取り組む必要があります。また、適度な運動習慣を取り入れることでカナグルによるダイエット効果が向上するかもしれません。
カナグルの主な副作用は脱水や頻尿、便秘や頭痛などが挙げられます。上記以外にも、重篤な副作用として低血糖や脱水、ケトアシドーシスや腎盂腎炎・フルニエ壊疽・敗血症などが起こりえるでしょう。これらの症状が出た場合は、薬の服用を中止し、医療機関を受診してください。
カナグルについて正しく理解し、適切な用法・用量を守りながら、みなさんのダイエットにお役立てください。
UnMed Clinic Motomachi髙倉 一樹 先生
横浜市中区元町にあります「UnMed Clinic Motomachi 」院長の髙倉です。地元横浜でクリニックを開院しています。
今までに学んできた事、経験した事を最大限活かし、医学と科学をしっかり結び付けながら、患者さんに求められている医療を最大限表現したいと思います。そのために、今の時代の流れの中で、積極的に新しいものを取り入れながら、地元への医療貢献、さらにはここ横浜からグローバルな医療を皆様にお届け出来る様、精一杯努力する所存でおります。
現在、当院ではオンライン診療を立上げ、メディカルダイエット(肥満外来)、不眠症外来、コロナ後遺症外来を実施しております。全国の患者様に対応しておりますので、お気軽にホームページのオンラン診療予約からご予約ください。
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