最終更新日:2024.09.20 | 投稿日:2024.09.19

インフルエンザ鼻ワクチン「フルミスト」がいつから接種できるかを解説

インフルエンザ鼻ワクチン「フルミスト」がいつから接種できるかを解説

フルミスト®(FluMist®)点鼻液はインフルエンザの予防接種として使用される鼻噴霧型のワクチン(経鼻インフルエンザワクチン)です。これは、注射ではなく、鼻の中に直接スプレーすることで投与されるため、特に注射を嫌がるお子さんにとって非常に有効な選択肢の一つです。

海外では長年使用されてきましたが、日本では2024-2025シーズンから使用が認められた比較的新しいワクチンです。医師と十分に相談し、ご自身やお子さんの健康状態に応じて、適切なワクチンを選択することが重要です。

本記事では、小児科医に監修していただき、フルミスト(インフルエンザ鼻ワクチン)の副作用やリスク、いつから接種可能かを解説しています。

インフルエンザ鼻ワクチン、フルミスト®(FluMist®)点鼻液とは?

2024年から2025年にかけて、経鼻インフルエンザワクチンとしてフルミスト®(FluMist®)点鼻液の使用が始まります。フルミストはインフルエンザウイルスの弱毒化生ワクチンで、インフルエンザA型2種類とB型2種類の計4種類の株が含まれています。

鼻粘膜に直接噴霧することで、インフルエンザウイルスの侵入経路である鼻腔での免疫を強化し、予防効果が高まります。体内で迅速に免疫反応を引き起こし、通常の注射型ワクチンと同程度の効果が期待されています。

フルミストの接種は非常に簡単です。両鼻に0.1mlずつ噴霧することで完了します。通常は1回の接種で十分ですが、9歳未満で初めて接種する場合には、数週間の間隔をあけて2回の接種が推奨されています。

フルミスト点鼻液のメリット

従来のインフルエンザワクチンのように注射の必要がないことが最大のメリットです。針の痛みを避けることができるため、特に小児に適しているとされています。

流行しているインフルエンザ株だけでなく、他の株にも効果がある可能性があるとされています。一度の接種でワンシーズン程度の免疫効果が期待されています。

フルミスト点鼻液の対象年齢は?

経鼻インフルエンザワクチン、フルミストは、2歳から18歳の子供や青年を対象としています。

フルミスト点鼻液はいつから接種できる?

フルミスト®(FluMist®)点鼻液は、海外では長年使用されてきましたが、日本では2024-2025シーズンに承認された比較的新しいワクチンです。フルミスト(経鼻インフルエンザワクチン)の接種開始時期は、多くの医療機関で2024年10月1日からとなっています。ただし、フルミストは輸入ワクチンであるため、入荷状況によって接種開始時期が前後する可能性があります。医療機関によって接種開始日が若干異なる可能性がありますので、お近くの医療機関に確認しましょう。

フルミストの在庫数は限られている場合が多いため、接種を希望する場合は早めに予約することをおすすめします。まずは最寄りの医療機関に直接問い合わせて、具体的な接種開始日や予約方法を確認しましょう。

インフルエンザ鼻ワクチン(フルミスト)の注意点と副反応

フルミストにはいくつかの副作用が報告されていますが、それらは通常、一時的で軽度なものであり、多くの場合、数日以内に改善します。フルミストは生ワクチンであるため、従来の注射型の不活化ワクチンとは異なる副作用を持っていること考慮して接種を検討する必要があります。

フルミスト点鼻液の主な副作用

鼻炎症状:フルミストを接種した後、3〜7日以内に約30〜40%の人々に鼻水や鼻づまりなどの鼻炎症状が現れることがあります。このような症状は通常、軽度で一時的なものであり、特に子供や若年者に多く見られます。鼻腔内で直接免疫反応を引き起こすことが原因であると考えられています。

感冒様症状:接種後、喉の痛み、咳、軽度の発熱など、風邪に似た症状が現れることがあります。これらの症状は、免疫系がインフルエンザウイルスに対して反応することで起こるものであり、一般的には数日以内に治まります。これらの症状が出た場合は、十分な休息と水分補給を心がけることが大切です。

頭痛:約3〜9%の接種者が頭痛を経験することがあります。これも一般的には軽度であり、鎮痛剤で対応可能なケースが多いです。

その他の症状:

– 鼻炎: 40-50%の発生率。これは鼻腔内へのスプレーによる直接的な刺激が原因と考えられます。
– 咽頭痛: 5-10%の発生率で、通常は軽度で短期間のものです。
– 発熱: 約10%の接種者にみられることがありますが、通常は軽度であり、数日で解熱することが多いです。

これらの副作用はほとんどの場合、一時的で数日以内に自然に解消しますが、副作用が続く場合や重篤化する場合は、すぐに医師の診察を受けることが大切です。

フルミスト点鼻液の危険性、重篤な副反応

非常にまれではありますが、フルミスト接種後に重篤な副反応が報告されることもあります。例えば、アナフィラキシーショックやギランバレー症候群(急性の神経疾患で、筋力低下や麻痺を引き起こすことがあります)などが挙げられます。これらの重篤な副反応は極めて稀ですが、過去にワクチン接種で深刻なアレルギー反応を経験したことがある場合や、特定の基礎疾患を持つ場合には、接種前に医師とよく相談することが重要です。

接種のリスクと予防効果のバランス

フルミストは、生ワクチンとして、体内の免疫系をより自然な形で刺激し、強い免疫反応を引き起こすことが期待されています。そのため、インフルエンザの流行株に対して強力な予防効果を持つだけでなく、他のインフルエンザ株に対しても交差免疫を提供する可能性があります。しかし、これらの副作用のリスクと予防効果のバランスを考えることが大切です。フルミストの使用を検討する際には、リスクとメリットをよく考慮し、専門医の意見を仰いで判断することが賢明です。特に免疫力が低下している方や、特定の持病を持つ方、小さな子供、高齢者、妊娠中の方などは、ワクチンの種類について医師としっかり相談し、自分に最も適した方法でインフルエンザの予防に取り組むことを心がけましょう。

フルミスト点鼻液に関するよくあるご質問

経鼻インフルエンザワクチンはいくらで接種できますか?

概ね6,000円〜10,000円程度で価格設定されているところが多いです。

経鼻インフルエンザワクチンとして使用されるフルミスト®(FluMist®)の接種費用は医療機関によって異なりますが、概ね6,000円〜10,000円程度で価格設定されているところが多いです。フルミストは保険適用外のワクチンであるため、全額自己負担となります。詳細は最寄りの医療機関へ確認しましょう。

生ワクチンとはなんですか?

病原性を弱めた生きた病原体(ウイルスや細菌)を使用して作られたワクチンです。

生ワクチンとは、病原性を弱めた生きた病原体(ウイルスや細菌)を使用して作られたワクチンです。体内で弱毒化された病原体が増殖するため、自然感染に近い強い免疫反応を引き起こします。通常1〜2回の接種で十分な免疫が得られ、一般的に不活化ワクチンよりも長期間の免疫が提供されるとされています。接種後に軽度の症状(発熱など)が現れることがあります。

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こちらの記事の監修医師

西島 浅香

西島こどもクリニック西島 浅香 先生

当院では、お子様の病気や健康についての相談、健康診断や予防接種についての相談をはじめ、併設の「西島産婦人科医院」と協力・連携しながら、子育て中のご両親の支援も積極的に行っております。

お子さん、ご両親との係わりの中から健康な家庭が築けますよう願いつつ診療しております。

生活環境や食物等の変化に伴い増加してきた、お子様のアレルギー疾患(気管支喘息、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎など)にも対応しております。

また、子育て一般についても気軽にご相談下さい。

地域における”こどもの心相談医”として、ぜひお気軽にご相談ください。

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