最終更新日:2024.11.13 | 投稿日:2024.11.13

オンライン診療は保険適用になる?やり方や料金、デメリットを解説

オンライン診療は保険適用になる?やり方や料金、デメリットを解説

オンライン診療とは、インターネットを介して患者さんが医師と対面せずに診察を受けられる医療サービスのことです。パソコンやスマートフォンを通じてビデオ通話などを利用し、医師が患者さんの症状や相談に応じ、必要に応じて診断や治療方針を提案します。初診からオンライン診療を受けられるケースも増えていますが、症状や疾患によっては対面診療が必要な場合もあります。

オンライン診療のメリットとして、移動の負担を軽減できる点が挙げられ、特に遠方に住んでいる方や通院が難しい方に適しています。また、診察の予約が比較的取りやすく、待ち時間も少ない傾向があります。ただし、病状に応じた対面診療への切り替えや、処方される薬の種類に制限がある場合もあるため、オンライン診療を行う前に確認することが重要です。

本記事では医師に監修のもと、オンライン診療は保険適用になるのか?やり方や料金、デメリットを解説しています。

オンライン診療とは?

遠隔地からでもリアルタイムで診察・診断

オンライン診療は、情報通信機器を用いて遠隔で行う医療サービスです。対面による診察ではなく、パソコンやタブレット、スマートフォンなどの情報通信機器を通じて、遠隔地からリアルタイムで診察・診断を行います。

厚生労働省の定義によると、オンライン診療は「医師-患者間において、情報通信機器を通して、患者の診察及び診断を行い診断結果の伝達や処方等の診療行為を、リアルタイムにより行う行為」とされています。

オンライン診療の目的

厚生労働省は、オンライン診療の主な目的として以下の3点を挙げています。

  1. 患者の日常生活の情報も得ることにより、医療の質のさらなる向上を図る。
  2. 医療を必要とする患者に対して、医療へのアクセシビリティを確保し、よりよい医療を得られる機会を増やす。
  3. 患者が治療に能動的に参画することにより、治療の効果を最大化する。

日本のオンライン診療の普及率は、コロナ前の約5%から規制緩和後には15%まで増加しました。コロナ禍でオンライン診療の需要と注目度は高まったものの、日本では保険診療でオンライン診療を実施している医療機関は全体の約1%程度で、自由診療を含めても2%程度と推定されています。

日本での普及はまだ途上段階にあると言えます。利用環境の整備が期待される一方で、医療機関の対応や制度面での課題が残されています。

オンライン診療の料金は保険適用になる?

オンライン診療でも保険適用となる場合がある

2018年4月から一部の疾患や条件でオンライン診療の保険適用が始まりました。保険適用の条件としては、主に慢性疾患の再診が対象となります。初診から3ヶ月経過し、直近3ヶ月で毎月対面診療を受けていることが重要です。患者さんの同意のもと診療実施計画書が作成されていることも条件となります。

注意点

保険適用の範囲は診療報酬改定により変動する可能性があり、具体的な適用範囲は医療機関によって異なる場合があります。

保険適用の場合、通常の保険診療と同様に3割負担(年齢等により異なる)となります。別途「オンライン診療料」が加算される場合があります。

オンライン診療を受ける際は、事前に医療機関に保険適用の可否や条件を確認することをおすすめします。また、最新の制度変更にも注意が必要です。

保険適用される主な疾患

糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病 – 慢性頭痛、てんかん、指定難病など

注意点: – 保険適用の範囲は診療報酬改定により変動する可能性があります。 – 具体的な適用範囲は医療機関によって異なる場合があります。 6. 費用: – 保険適用の場合、通常の保険診療と同様に3割負担(年齢等により異なる)となります。 – 別途「オンライン診療料」が加算される場合があります。 オンライン診療を受ける際は、事前に医療機関に保険適用の可否や条件を確認することをおすすめします。また、最新の制度変更にも注意が必要です。

自由診療もオンライン診療はできる?

保険適用されない自由診療(全額自己負担)もオンライン診療はできます。医療機関によっては、自由診療のみを選択している場合も少なくありません。

オンラン診療に対応している診療科

対応可能な症状や条件は医療機関によって異なるため、具体的な対応範囲は各医療機関に確認する必要があります。 また、初診は原則として対面診療が必要ですが、一部の診療科では初診からのオンライン診療も可能な場合があります。

オンライン診療に対応している主な診療科は以下の通りです。

内科・小児科 一般内科、呼吸器内科など幅広い内科疾患に対応しています。また、小児科でも風邪症状や発熱など、一般的な症状はご相談可能です。
耳鼻科・アレルギー科 花粉症やアレルギー性鼻炎などの慢性疾患の経過観察、薬の処方や継続的な治療に対応しています。軽度の風邪症状や咽頭痛などの初期症状なども可能です。
心療内科・精神科 うつ病や不安障害などのメンタルヘルスの問題に対応しています。 うつ病、適応障害、不安障害など、メンタルヘルスのカウンセリング診断や治療、薬の処方(一部制限あり)に対応しています。
婦人科 ピルや緊急避妊薬の処方を始め、一部の婦人科疾患にも対応しています。検査結果の説明や薬の処方、継続処方が可能です。
皮膚科 湿疹、アトピー性皮膚炎、ニキビ、アレルギー性皮膚炎など、多くの皮膚疾患に対応しています。
慢性的な疾患や経過観察が必要な症状に特に適しています。
脳神経内科 頭痛、めまい、しびれ、ふらつきなどの症状をはじめ、パーキンソン病などの神経疾患や認知症の相談及び経過観察、慢性疾患の薬の処方や経過観察に対応しています。 
生活習慣病外来 糖尿病、高血圧、脂質異常症、高尿酸血症(痛風)などの生活習慣病に対応しています


これらの診療科に加えて、頭痛外来や睡眠外来など、特定の症状に特化したオンライン診療も行われています。

オンライン診療のメリット

患者さん医療機関、双方にメリットあり

オンライン診療は、患者さんにとっても医療機関にとっても数多くのメリットがある診療方法です。その特徴と利点について、患者さん側と医療機関側の双方から見ていきましょう。

患者さん側のメリット

  1. 遠隔地からの受診が可能
  2. 通院負担の軽減
  3. 待ち時間の解消
  4. 感染リスクの低減

オンライン診療なら、自宅や遠隔地からでも専門医や希望する医師の診察が受けられます。特に、遠方に住んでいる方や希望する診療科が近くにない場合に大変便利です。通院のための移動時間や交通費が不要になるため、患者さんの時間的・体力的な負担が大幅に軽減されます。体調が優れない日でも安心して受診が可能です。

オンライン診療では予約した時間に診察が行われるため、病院での長い待ち時間がほとんどありません。これは多忙な方や、待合室での長時間待機が辛い患者さんにとって大きなメリットです。また、医療機関に出向く必要がないため、他の患者さんとの接触が避けられ、感染症リスクが低減します。特にインフルエンザや新型ウイルスが流行している季節には安心です。

医療機関側のメリット

  1. 治療継続率の改善
  2. 遠方患者への対応
  3. 業務効率化

通院の負担が減ることで、患者さんの治療継続率が向上する可能性があります。これにより、患者さんが必要な治療を継続しやすくなり、治療成果の向上にもつながります。オンライン診療は、地理的な制約を超えて、より広範囲の患者さんに医療サービスを提供できる手段です。遠方に住んでいる患者さんも気軽に専門医の診察を受けられるため、医療のアクセスが向上します。

予約管理や問診票の記入などの業務をオンラインで効率的に行えるため、医療スタッフの負担が軽減されます。これにより、より質の高い医療サービスの提供が可能になります。

以上のように、オンライン診療は、患者さんと医療機関の双方にメリットが多く、医療の在り方を進化させています。

オンライン診療のやり方

まずは通信環境の安定性を確保し、プライバシーと個人情報保護に注意することが大切です。緊急時や重症の場合は対面診療が必要になる可能性があるため、事前に医師に相談しましょう。

オンライン診療は医療機関によって具体的な方法が異なる場合があるため、詳細は各医療機関の指示に従うことが重要です。

ここでは一般的なオンライン診療のやり方について主なポイントを解説します。

1準備段階

まずは必要な機器(スマートフォン、タブレット、PCなど)とインターネット環境を準備しましょう。
そしてオンライン診療に対応している医療機関を探し、医療機関が指定するアプリやシステムをインストールします。

2予約・診察前の準備

医療機関のウェブサイトや電話で予約を取ります。初診の場合、事前の問診や相談が必要な場合があるため、クリニックの指示に従いましょう。

診療前に、プライバシーが保たれる静かな場所を確保することが大切です。機器の動作確認(カメラ、マイク、スピーカーなど)も事前に行っておくと安心です。必要な情報(保険証、お薬手帳など)も事前に用意しておきましょう。

3診察開始

予約時間になったらアプリやシステムにログインし、医師とのビデオ通話で診察を受けます。症状や状態を詳しく説明し、医師の質問に答えてください。診察中、音声トラブルや映像トラブルがあった場合は、遠慮なく医師に伝えましょう。

4診察終了

処方箋が必要な場合、オンラインで発行されるか郵送されることが一般的です。支払いはオンラインまたは後日請求で行うことが多いため、クリニックの指示に従って手続きを進めましょう。

5診療後のフォローアップ

次回の予約や経過観察の指示に従います。オンライン診療はあくまでも診療するための手段に過ぎません。健康な体を維持するために効率的に活用できる一つの手段として考え、お体に異変を感じた場合は速やかに医師に相談してください。

オンライン診療のデメリット

患者さん側と医療機関側、双方にとってメリットのあるオンライン診療ですが、いくつかの課題と注意点があります。

  1. 診断情報の制限
  2. IT技術的な障壁
  3. 通信トラブル
  4. 適応疾患の制限
  5. 初診の制限

初診の場合、オンライン診療には制限があり、対面診療が推奨される場合があります。また、すべての疾患や症状にオンライン診療が適しているわけではありません。オンライン診療は触診や各種検査ができないため、十分な診断情報が得られない場合があります。そのため、症状や疾患、診療内容によっては注意が必要です。事前に必ず医師に相談しましょう。

高齢者やITに不慣れな患者さんにとっては、利用が難しい場合があります。また、通信状況によっては、診察の質が低下するリスクも考慮する必要があります。

オンライン診療に関するまとめ

オンライン診療は、医療へのアクセシビリティを向上させ、患者の負担を軽減する革新的なサービスです。しかし、その利用には適切な判断と対応が必要です。患者さんと医療機関の双方が、オンライン診療のメリットとデメリットを理解し、適切に使い分けることが重要です。対面診療との併用や、必要に応じた切り替えを行うことで、より効果的な医療サービスの提供が可能となります。 

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こちらの記事の監修医師

佐竹 学

からだとこころのクリニックラポール佐竹 学 先生

宮城県仙台市の心療内科、からだとこころのクリニックラポールでは、身体疾患にも精神疾患にも対応しています。そのため、症状や原因別にそれぞれ違う病院に通って頂く必要はありません。

場合によっては、專門治療を行っている大学病院などにご紹介させて頂くこともございますが、まずは当クリニックにお越し頂ければ、適切な検査と診断を行い、患者さまにとって最も良いと思われる治療方針をご提案させて頂きます。

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