最終更新日:2024.11.25 | 投稿日:2024.11.25

不眠治療おすすめオンラインクリニック【眠剤/睡眠薬】オンライン処方

不眠治療おすすめオンラインクリニック【眠剤/睡眠薬】オンライン処方

不眠に悩んでいても、忙しかったり、周りに知られたくなかったりして、通院を先延ばしにしてしまう方もいます。しかし、近年では、オンライン診療の適用が広がり、不眠治療の診療も可能になりました。また、睡眠薬の種類によっては、オンライン処方が可能なものもあります。そこで今回は、不眠治療でおすすめのオンラインクリニック10選をご紹介します。

医師監修のもと、不眠治療についても解説しておりますので是非ご覧ください。

不眠治療はオンライン診療を受けられる?

オンライン診療による不眠治療は可能です。2022年1月に、厚生労働省による「オンライン診療の適切な実施に関する指針」の改定が行われ、初診からのオンライン診療が解禁されました。情報通信機器を用いた初診の上位の傷病名には、不眠症が挙げられており、そのニーズの高さが現れています。

睡眠薬はオンライン処方してもらえる?

オンライン診療に関する指針では「初診の場合は麻薬や向精神薬の処方は行わない」点が遵守すべき事項として含まれています。そのため、向精神薬として指定されている睡眠薬については、初診でのオンライン処方は不可能です。一方、向精神薬の指定ではない睡眠薬は、医師の判断により処方ができます。

不眠治療の「オンライン診療」のメリット・デメリット

不眠治療のオンライン診療には、メリット・デメリットがあります。それぞれを比較検討し、通院による治療とどちらが自分に合っているかを見極めましょう。

<不眠治療の「オンライン診療」のメリット・デメリット>

  • メリット
  • デメリット

ここでは、メリット・デメリットを具体的に解説します。

メリット

不眠治療のオンライン診療のメリットは、以下のとおりです。

<不眠治療のオンライン診療のメリット>

  • 時間や場所が自由
  • プライバシーが保てる
  • 待ち時間が少ない
  • 感染症を予防できる

オンライン診療では、手持ちのスマホやデバイスを使って、自宅や職場などどこからでも受診できます。夜間の診療サービスを設けているオンライン診療も多く、仕事が忙しい方にとっても便利です。また、周りに通院を知られにくく、プライバシーが保てる点もメリットといえます。

通院時の待ち時間がなく、予約時刻と同時に診察を開始できるのも、オンライン診療の特徴です。感染症の流行時には、不要な通院を避け、感染も予防できます。

デメリット

不眠治療のオンライン診療のデメリットは、以下のとおりです。

<不眠治療のオンライン診療のデメリット>

  • 初診で処方できない薬がある
  • 非対面では読み取りにくい情報もある
  • 支払い方法が限られる場合がある

上記で解説したとおり、向精神薬に指定されている薬は、オンライン診療の初診では処方ができません。状況によっては、オンライン診療だけで完結できないケースがある点には、注意が必要です。

また、心療内科では、仕草や表情などの情報を診断基準に含めるケースがあります。オンラインでは、対面時と比べて医師が読み取れる情報が限られる点は、デメリットです。また、支払い方法が電子決済に限られるため、人によっては使いづらく感じるかもしれません。

不眠治療のオンライン診療でおすすめのクリニック10選

ここでは、不眠治療のオンライン診療でおすすめのクリニック10選をご紹介します。

<不眠治療のオンライン診療でおすすめのクリニック10選>

  • Digital Clinic Group
  • DMMオンラインクリニック
  • クリニックフォア
  • ネムリノミカタ
  • 患者目線のクリニック
  • UnMed Clinic Motomachi
  • ファストドクター
  • おりたメンタルクリニック
  • CUREAクリニック
  • 女性ライフクリニック

それぞれを具体的に見ていきましょう。

Digital Clinic Group

Digital Clinic Groupは、24時間365日、専門の医師、医療チームによるサポートが受けられるオンラインサービスです。オンラインと対面の両方から、継続的な医療体制を提供しています。

【Digital Clinic Groupの概要】

クリニック名 Digital Clinic Group
診療時間 24時間365日
初診料 1,650円
お薬代 入眠改善プラン3,630円(7日分)など
取り扱い薬 デエビゴ、ルネスタ、リスミー、ロゼレム、医療用漢方
発送日 入金確認後・受注後7日以内に発送(最短翌日)
所在地 東京都中央区銀座1-22-11-2
公式サイト Digital Clinic Group HP

Digital Clinic Groupでは、予約から決済までスマホやパソコンで完了できます。医師との診療後は、最短翌日に医薬品が発送されます。初診後は、公式LINEのメッセージでいつでも懸念点を質問できるのも、安心できるポイントです。

薬は毎月同じ日に届く定期配送も選択でき、受診忘れを防止できます。目立たない梱包により、プライバシーへの配慮も行われています。

<Digital Clinic Groupのおすすめポイント>

  • 24時間365日対応
  • 公式LINEでいつでも質問できる
  • 定期配送が選択できる

DMMオンラインクリニック

DMMオンラインクリニックは、DMH新橋クリニックと、DMH大阪クリニックの医療提携により運営されているサービスです。ビデオツールで診察を行い、複数科目の同時受診も可能です。

【DMMオンラインクリニックの概要】

クリニック名 DMMオンラインクリニック
診療時間 24時間対応(年末年始を除く)
初診料 0円
お薬代 入眠改善プラン3,520円(7日分)など
取り扱い薬 エスゾピクロン、リスミー、デエビゴ、ラメルテオン、137加味帰脾湯、103酸棗仁湯、ラフマ&アミノ酸、ラフマ&乳酸菌
発送日 診察完了後1~2日
所在地 東京都港区六本木三丁目2番1号住友不動産六本木グランドタワー24階
公式サイト DMMオンラインクリニック HP

無料のDMM会員アカウントを作ると、診療予約や薬の注文履歴の管理ができます。マイページ内で記入した問診票をもとに、ビデオ通話で問診を行うため、診療がスムーズです。以前購入した薬の追加購入や量の変更なども、マイページから簡単にできます。薬は自宅のほか、コンビニでの受け取りも指定可能です。1ヶ月ごとの定期便も、継続的な治療に役立つサービスです。

<DMMオンラインクリニックのおすすめポイント>

  • マイページで薬購入の管理ができる
  • コンビニ受け取りも選択できる
  • 複数科目の同時診療も可能

クリニックフォア

クリニックフォアは、全国で10院以上のクリニックを展開しています。保険診療も行う医師による診察を、オンラインで受けられるサービスです。300万件以上の診療実績(2020年4月〜2023年6月時点)がある点も、おすすめポイントです。

【クリニックフォアの概要】

クリニック名 クリニックフォア
診療時間 平日:7~24時、土日祝:日によって異なる
初診料 750円〜1,180円
お薬代 薬の種類による
取り扱い薬 加味逍遙散など
発送日 最短翌日発送
所在地 埼玉県さいたま市大宮区大門町2丁目118番地大宮門街4階
公式サイト クリニックフォア HP

クリニックフォアグループでは、クリニックとオンライン診療のどこでもカルテが共有されており、継続的な治療が可能です。オンラインでは、平日は夜24時まで診療可能で、仕事が忙しい方にも便利なサービスです。カレンダーから好きな日時を選んで予約し、ビデオ通話で医師の診察を受けます。

クリニックフォアは、不眠の漢方治療にも対応可能です。加味逍遙散などの漢方薬は、長期的な体質改善に適しているとされています。

<クリニックフォアのおすすめポイント>

  • クリニックフォアグループ内での継続的な治療が可能
  • 平日は夜24時まで対応
  • 漢方薬による治療が可能

ネムリノミカタ

ネムリノミカタは、睡眠専門クリニックが運営するオンライン診療サービスです。不眠の症状の程度に合わせて、適切な治療方法を提案します。

【ネムリノミカタの概要】

クリニック名 ネムリノミカタ
診療時間 平日:10~14時、19~22時、土日祝:予約ページを確認
初診料 1,000円程度
お薬代 500円程度
取り扱い薬 ロゼレム、ルネスタ、ベルソムラ、抑肝散、加味帰脾湯
発送日 最短即日
所在地 大阪府大阪市西区新町1-8-1 行成ビル7階
公式サイト ネムリノミカタ HP

ネムリノミカタでは、予約不要でいつでもオンライン受診が可能です。LINEで友だち追加した後、問診表を入力し、診察開始ボタンをクリックするだけで診察が受けられます。診察は5分ほどで完了し、最短即日で薬が自宅へ発送されます。

ネムリノミカタでは「睡眠薬からの離脱」をテーマに、睡眠の質を高めるサプリメントを提案しているのが特徴です。不眠の症状が強い場合は、漢方や作用の優しい睡眠薬の処方も可能です。

<ネムリノミカタのおすすめポイント>

  • 予約不要でオンライン診療ができる
  • 薬は最短即日発送
  • 不眠の症状の程度に合わせた治療を提案

患者目線のクリニック

患者目線のクリニックは、虎ノ門と銀座新橋にクリニックを持つ医療グループが運営する、オンラインサービスです。オンライン診療件数10万件以上(2023年4月〜2024年3月)の実績を持ちます。

【患者目線のクリニックの概要】

クリニック名 患者目線のクリニック
診療時間 9~20時、20~22時(月~日)
22~24時(水~日)
初診料 1,000円前後
お薬代 薬の種類による
取り扱い薬 ラメルテオン(ロゼレム) 、レンボレキサント(デエビゴ)、スボレキサント(ベルソムラ)、ツムラ抑肝散(医療用) 、クラシエ抑肝散加陳皮半夏エキス細粒 、エスゾピクロン(ルネスタ)、リルマザホン(リスミー)
発送日 記載なし
所在地 記載なし
公式サイト 患者目線のクリニック HP

不眠症以外の身体症状がない場合や、いつも処方されている薬がほしい場合には、患者目線のクリニックの「オンライン睡眠外来」を利用できます。現在の症状を踏まえた生活指導のアドバイスを受けたうえで、必要に応じて初回7回分の薬が発送されます。

WEBから受診日時を予約し、専用アプリをダウンロードするだけで簡単に診療が可能です。不眠症を含めたそのほかの症状の悩みがある場合は、心の問題についても相談できる「オンライン心療内科」も利用できます。

<患者目線のクリニックのおすすめポイント>

  • オンライン診療件数10万件以上の実績がある
  • 曜日により夜24時まで診療可能
  • ほかの心の問題についても相談可能

UnMed Clinic Motomachi

UnMed Clinic Motomachiは、求められている医学的ニーズに応えたいとの想いを、名称に込めたクリニックです。丁寧な問診により、一人ひとりの症状に合った治療法を提案します。

【UnMed Clinic Motomachiの概要】
クリニック名 UnMed Clinic Motomachi
診療時間 9~12時半(月~日)、15~18時半(月・水・木)
初診料 記載なし
お薬代 記載なし
取り扱い薬 ルネスタ、デエビゴ、ロゼレム
発送日 記載なし
所在地 神奈川県横浜市中区元町3-116 髙倉ビル1F
公式サイト UnMed Clinic Motomachi HP

UnMed Clinic Motomachiでは、WEBまたはLINEで24時間オンライン診療の予約が可能です。LINEドクターを使用し、ビデオ通話で診療を行います。UnMed Clinic Motomachiでは、不眠症の専門ケアサービス(オンラインカウンセリング)も提供しています。

公認心理師や臨床心理士などの資格を持つケアサポーターが、心身のバランスを整える手助けをするのも特徴です。服薬と同時に、心のケアをしたい方におすすめのサービスです。

<UnMed Clinic Motomachiのおすすめポイント>

  • 丁寧な問診が受けられる
  • LINEで手軽に受診可能
  • オンラインカウンセリングサービスも提供

ファストドクター

ファストドクターは、全国の医療機関から構成されている医療の総合窓口です。「ファストドクターメンタルクリニック」は、心療内科・精神科の医師による診察がオンラインで受けられます。

【ファストドクターの概要】

クリニック名 ファストドクター
診療時間 9~23時(月~日)
初診料 2,100円から(18時まで)
お薬代 記載なし
取り扱い薬 記載なし
発送日 最短翌日お届け
所在地 東京都渋谷区恵比寿4丁目20-3 恵比寿ガーデンプレイスタワー32階
公式サイト ファストドクター HP

ファストドクターでは、WEBから受診予約ができます。予約した診察時間の30分前に届くURLを開くだけで、ビデオ通話による診察が可能です。薬は、自宅への郵送か、最寄りの薬局での受け取りを選択できます。希望する場合は、PDF形式もしくは郵送での診断書の発行も可能です。

心の悩みを相談したい場合は、プロの心理士がじっくり向き合ってくれる「ファストドクター メディカルカウンセリング」も利用できます。

<ファストドクターのおすすめポイント>

  • ビデオ通話への接続が簡単
  • 診断書の発行も可能
  • プロの心理士によるカウンセリングも利用できる

おりたメンタルクリニック

おりたメンタルクリニックは、心療内科・精神科一般の外来を行うクリニックです。職場でのストレスや不眠、不安で受診する患者が多く、働く世代のメンタルヘルスケアを得意としています。おりたメンタルクリニックでは、オンライン不眠症外来も設けており、自宅での相談が可能です。

【おりたメンタルクリニックの概要】

クリニック名 おりたメンタルクリニック
診療時間 10~13時半(月~金)、15~18時半(月・火・木・金)
初診料 6,000円程度
お薬代 記載なし
取り扱い薬 マイスリー、ルネスタ、デエビゴ、レンドルミン、リスミー
発送日 翌営業日以降の再診の際に処方し、発送
所在地 東京都中央区日本橋大伝馬町13-8 メディカルプライム日本橋小伝馬町8F
公式サイト おりたメンタルクリニック HP

おりたメンタルクリニックでは、公式LINEアカウントから相談と診察予約が可能です。WEB問診を記入した後、医師から連絡が来る流れとなります。問診では、治療方針の説明がしっかり行われ、それぞれの症状に応じた治療法が選択できます。

睡眠薬の処方は再診以降となり、初診では処方できない点に注意が必要です。処方箋や薬は、レターパックで自宅まで配送可能です。

<おりたメンタルクリニックのおすすめポイント>

  • LINEから簡単に診察予約ができる
  • 働く世代のメンタルヘルスケアが得意分野のクリニック
  • 治療方針の説明が丁寧

CUREAクリニック

CUREAクリニックは、LINE登録者がグループ合計10万名を突破した(2024年1月末時点)、オンラインサービスです。来院不要、LINEで完結できる手軽さがおすすめのポイントです。

【CUREAクリニックの概要】

クリニック名 CUREAクリニック
診療時間 9時半~18時半(365日対応)
初診料 無料
お薬代 7,480円から
取り扱い薬 デエビゴ
発送日 最短翌々日にお届け
所在地 東京都品川区西五反田7丁目17番5号 五反田第3noteビル 1階A
公式サイト CUREAクリニック HP

CUREAクリニックでは、公式LINEを友だち追加して、いくつかの質問に答えるだけで診察を開始できます。LINE上の問診の形で医師が診察を行い、処方が確定する流れです。決済の確認次第、翌々日には自宅ポストで薬を受け取れます。

アフターフォローも充実しており、不安な点はいつでもLINEで質問ができます。初診・再診ともに診察料は無料で、料金プランがシンプルな点もCUREAクリニックの特徴です。

<CUREAクリニックのおすすめポイント>

  • LINE上の問診で診察が完了
  • アフターフォローが充実
  • 診察料が無料で料金プランがわかりやすい

女性ライフクリニック

女性ライフクリニックは、女性の心と体の健康に特化した専門家が診療にあたるクリニックです。不眠症のオンライン診療も行っており、一般社団法人徳志会の医師による診察が受けられます。

【女性ライフクリニックの概要】

クリニック名 女性ライフクリニック
診療時間 記載なし
初診料 無料
お薬代 3ヶ月 22,340円
取り扱い薬 デエビゴ
発送日 記載なし
所在地 東京都中央区銀座2-6-5 銀座トレシャス7F
東京都新宿区新宿3-14-1 伊勢丹新宿店 B2F
公式サイト 女性ライフクリニック HP

女性ライフクリニックでは、LINEを使用してオンライン診療を受けることが可能です。オンライン診療では、リラックスした環境で医師と話せるため、より正確に症状を伝えやすいメリットがあります。処方薬は自宅に配送されるため、通院や薬局に出向く手間を省けます。オンラインで継続的に医師のフォローアップを受け、薬の調整やアドバイスを受けることも可能です。

<女性ライフクリニックのおすすめポイント>

  • LINEで手軽な受信ができる
  • 自宅で処方薬を受け取れる
  • 継続的なフォローアップが受けられる

不眠治療のオンライン診療の流れ

不眠治療のオンライン診療は、以下の流れで行うことが一般的です。

<不眠治療のオンライン診療の流れ>

  • HPから予約する
  • 事前に問診票を記入する
  • 診療を受ける
  • 郵送される薬を受け取る

それぞれを具体的に見ていきましょう。

1HPから予約する

はじめに、オンライン診療サービスを提供している、クリニックのHPから予約をします。予約方法は、WEB予約や、LINEの友だち登録などの方法を使用しているところが多いです。名前や住所、相談内容などを記入し、予約日時を選びます。

2事前に問診票を記入する

診察前に記入する問診表を用意しているクリニックも多いです。個人情報や症状などを入力し、診察に備えます。医師は問診票の内容をもとに、オンライン診療を進めます。

3診療を受ける

オンライン診療では、ビデオ通話を用いることが多いです。専用アプリやLINE、Zoomなどを使用するクリニックがあります。予約時間より早めに待機して、予約時刻と同時に診察が始められるようにしましょう。

4郵送される薬を受け取る

オンライン決済を行ったら、薬が発送されます。薬の受け取り方法は、自宅やコンビニ、薬局などを選択できる場合があります。薬の量によっても、対面受け渡しとポスト投函の選択が変わるため、注意しましょう。

そもそも不眠症とは

そもそも不眠症とはどのようなものなのか、正しく理解しておくことが大切です。厚生労働省の定義によると、不眠症とは睡眠障害により、日中に以下のような不調が現れることを指します。

<不眠症による日中に起きる症状>

  • 倦怠感
  • 意欲低下
  • 集中力低下
  • 食欲低下

誰しも眠れないことはありますが、不眠と日中の症状が週に3日以上、3ヶ月以上続く場合は、慢性不眠症と診断されます。不眠症の原因は、ストレスや心身の病気、薬の副作用など多岐にわたり、原因に応じた治療が必要です。

不眠症のタイプ

不眠症のタイプは、主に以下の4つに分けられます。それぞれの特徴を解説します。

<不眠症のタイプ>

  • 入眠障害
  • 中途覚醒
  • 早朝覚醒
  • 熟眠障害

それぞれを具体的に見ていきましょう。

入眠障害

入眠障害とは、寝つきが悪い状態のことです。眠りにつくのに、30分〜1時間以上かかるケースが多いです。不眠症の中でもっとも多い症状で、不安や緊張が大きいと起こりやすいといわれています。

中途覚醒

中途覚醒とは、眠りについても眠りが浅く、途中で何度も起きてしまう状態を指します。中高年や高齢者によく見られるタイプの不眠です。

早朝覚醒

早期覚醒は、早朝に目が覚めてしまい、眠れなくなる状態です。年をとると、体内時計のリズムが前にずれやすくなるため、高齢者に多く見られます。また、うつ病の方にも起こりやすいタイプの不眠です。

熟眠障害

熟眠障害は、ある程度の睡眠時間をとっているにも関わらず、ぐっすり眠った感覚が得られない状態です。睡眠時無呼吸症候群や、周期性四肢運動障害が関係している場合もあります。

不眠治療で処方される睡眠薬の種類

不眠治療で処方されることが多い主な睡眠薬は、以下のとおりです。

<不眠治療で処方される睡眠薬の種類>

  • ハルシオン
  • デパス
  • リスミー
  • サイレース
  • アモバン
  • ルネスタ
  • ロゼレム
  • デエビゴ
  • ベルソムラ
  • 【漢方薬】酸棗仁湯
  • 【漢方薬】加味帰脾湯

それぞれを具体的に見ていきましょう。

ハルシオン

【ハルシオンの概要】

タイプ ベンゾジアゼピン系
種類 0.125mg錠、0.25mg錠
副作用 薬物依存、離脱症状、精神症状、呼吸抑制など
強さ 類薬と比較すると強い
作用時間 1.2~2.9時間
特徴 寝つきが悪いタイプの不眠症に有効
オンライン処方 不可能

ハルシオンは、超短時間型の睡眠薬です。効果の発現が早く、即効性が高い特徴があります。入眠困難の改善に使用されることが多い一方、中途覚醒、早朝覚醒には効果が不十分である場合があります。発売から長く経過しているため、ジェネリックの利用も可能な薬です。

デパス

【デパスの概要】

タイプ ベンゾジアゼピン系
種類 0.25mg錠、0.5mg錠、1mg錠、細粒1%
副作用 めまい、歩行失調、頭痛・頭重、言語障害など
強さ 短時間型の抗不安薬の中では強め
作用時間 3~6時間
特徴 筋弛緩作用が強い
オンライン処方 不可能

デパスには、作用時間が短く、抗不安作用が強い特徴があります。筋弛緩作用が強いため、肩こりや体のこわばりが緩和される効果もあります。睡眠薬としては、入眠困難や中途覚醒、早朝覚醒の症状に使用される場合が多いです。副作用による翌日の眠気の持ち越しには、注意が必要です。

リスミー

【リスミーの概要】

タイプ ベンゾジアゼピン系
種類 1mg錠、2mg錠
副作用 呼吸抑制、炭酸ガスナルコーシス、依存性など
強さ ベンゾジアゼピン系睡眠薬の中ではやや弱め
作用時間 3~13時間
特徴 効果が穏やかで副作用が起こりにくい
オンライン処方 可能

リスミーは穏やかに効く薬で、服用してから血中濃度が最大になるまでに3時間ほどかかります。また、半減期は約8〜13時間と長いのが特徴です。即効性は低い一方、穏やかにゆっくり効く薬を服用したい場合に適しています。半減期が長いため、中途覚醒にもある程度適しているといえます。

サイレース

【サイレースの概要】

タイプ ベンゾジアゼピン系
種類 1mg錠、2mg錠、2mg静注
副作用 眠気の持ち越し、ふらつき、せん妄など
強さ 催眠作用が強力
作用時間 0.75~21.2時間
特徴 入眠から起床にわたって効果が持続する
オンライン処方 不可能

サイレースは、催眠作用が非常に強力で、作用時間も長い睡眠薬です。その効果性から、性犯罪に使われてしまうこともあり、海外では規制対象となっている国もあります。依存性もあるため、長期間の服用は避けたほうが良いです。使用する場合は、できるだけ少量・短期間で用いることが望ましいです。

アモバン

【アモバンの概要】

タイプ 非ベンゾジアゼピン系
種類 7.5mg錠、10mg錠
副作用 口中の苦み 、 ふらつき 、 眠気 、 頭重 、 頭痛など
強さ 非ベンゾジアゼピン系の中では強い
作用時間 3~4時間程度
特徴 苦みが強い
オンライン処方 不可能

アモバンは作用時間が短いため、入眠障害の改善に効果があり、翌朝に作用が残りにくい特徴があります。苦みが強いのも特徴で、人によっては独特な苦みが翌朝まで残る場合もあります。アモバンとアルコールはどちらも肝臓で分解されるため、服薬するとアルコールに酔いやすくなる点に注意が必要です。

ルネスタ

【ルネスタの概要】

タイプ 非ベンゾジアゼピン系
種類 1mg錠、2mg錠、3mg錠
副作用 味覚異常、傾眠、頭痛など
強さ アモバンよりも弱い
作用時間 2~4時間
特徴 苦みが強い
オンライン処方 可能

ルネスタは、アモバンを改良して作られた薬です。非ベンゾジアゼピン系の特徴として、睡眠障害に絞った効果があり、ふらつきや依存が比較的起こりにくいことが挙げられます。アモバンと同様、ルネスタにも苦みの副作用がある点が特徴です。最高用量で比較すると、アモバンより効果は弱めになります。

ロゼレム

【ロゼレムの概要】

タイプ メラトニン受容体作動薬
種類 8mg錠
副作用 傾眠、頭痛、倦怠感など
強さ 効果が緩やか
作用時間 1~2時間
特徴 自然な眠気を強くする
オンライン処方 可能

ロゼレムは、メラトニン受容体作動薬という新しいタイプの薬です。体内時計のリズムを整えるホルモン、メラトニンに働きかけて睡眠を促します。ロゼレムは効果が見られるまでに2〜4週間の期間がかかることも多いです。処方日数の制限がないため、緩やかに睡眠の問題を改善していくのに適しています。

デエビゴ

【デエビゴの概要】

タイプ オレキシン受容体拮抗薬
種類 2.5mg錠、5mg錠、10mg錠
副作用 眠気が残る、頭痛など
強さ 中程度
作用時間 1時間以上
特徴 効き方に個人差がある
オンライン処方 可能

デエビゴは、2020年に開発されたオレキシン受容体拮抗薬です。オレキシンという物質の働きを阻害して、睡眠を促します。生理的作用に働きかけるため、依存性が少ない特徴があります。オレキシン受容体拮抗薬は、メラトニン受容体作動薬に比べて、入眠障害への効果がより高い点も特徴です。

ベルソムラ

【ベルソムラの概要】

タイプ オレキシン受容体拮抗薬
種類 10mg錠、15mg錠、20mg錠
副作用 傾眠、頭痛、疲労など
強さ デエビゴよりも弱い
作用時間 1.5~10時間
特徴 中途覚醒においてやや優位
オンライン処方 可能

ベルソムラも、デエビゴと同じオレキシン受容体拮抗薬です。入眠困難においては、デエビゴのほうが効果発現が早い一方で、中途覚醒時間の短縮にはベルソムラのほうがやや優位です。ベルソムラは湿気に弱いため、ドーム状の独特のシートで梱包されています。

【漢方薬】酸棗仁湯

【酸棗仁湯の概要】

タイプ 漢方
種類 各製薬会社による
副作用 食欲不振、胃部不快感、悪心、腹痛、下痢など
強さ 個人差が大きい
作用時間 個人差が大きい
特徴 鎮静作用が強く、補血作用を持つ
オンライン処方 可能

酸棗仁湯は、体力が低下し、心身も疲労して眠れないときに適した漢方薬です。酸棗仁や茯苓には、精神を落ち着かせる作用があることが特徴です。川芎は血を補い、血行を改善する作用があります。酸棗仁湯は不眠のほかにも、虚弱体質や抑うつ、不安感などの改善にも用いられます。

【漢方薬】加味帰脾湯

【加味帰脾湯の概要】

タイプ 漢方
種類 各製薬会社による
副作用 発疹、蕁麻疹、食欲不振、胃部不快感、悪心、腹痛、下痢など
強さ 個人差が大きい
作用時間 個人差が大きい
特徴 オキシトシンの分泌量を増やす
オンライン処方

加味帰脾湯には、オキシトシンの分泌を促す効果があるとされています。オキシトシンとは、不安やストレスの軽減に関係のあるホルモンです。オキシトシンの分泌促進が、精神不安や疲労、不眠の改善へつながるとされています。また、虚弱体質や貧血、疲労感などの緩和にも用いられる漢方薬です。

不眠治療や睡眠薬に関するよくある質問

ここでは、不眠治療や睡眠薬に関するよくある質問として、以下の6点を解説します。

<不眠治療や睡眠薬に関するよくある質問>

  • 睡眠薬はオンラインで処方してもらえる?
  • 市販薬と処方薬の違いは?
  • 睡眠薬はクセになる?
  • 睡眠薬を摂ると悪夢を見る?
  • 不眠治療は保険適用される?
  • 不眠治療は何科に行けばいい?

それぞれを具体的に見ていきましょう。

睡眠薬はオンラインで処方してもらえる?

厚生労働省のガイドラインによると、「初診のオンライン診療の場合は麻薬や向精神薬の処方は行わない」との事項が定められています。

これは、なりすましや虚偽の申告による、濫用・転売の防止を目的としています。そのため、向精神薬に指定されている睡眠薬は、初診のオンライン診療で処方ができません。一方、向精神薬に指定されていない薬の処方は可能です。

市販薬と処方薬の違いは?

市販されている睡眠薬は「睡眠導入剤」とも呼ばれています。市販薬は、病院での処方薬とは成分と作用に違いがあります。

多くの市販薬に用いられているのは「ジフェンヒドラミン塩酸塩」という抗アレルギー薬にも使われる成分です。睡眠そのものに作用する成分ではなく、アレルギー反応を抑える際の副作用を転用した成分で、軽い不眠が対象です。

一方、病院で処方される睡眠薬は、脳やホルモンに作用し、睡眠を働きかける成分が使用されています。一時的な不眠ではなく、不眠症を治療する場合は、病院での処方薬を用いる必要があります。

睡眠薬はクセになる?

ベンゾジアゼピン系睡眠薬、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬などの睡眠薬には依存性があり、急な減量や中止をすると、身体症状が現れる場合があります。

これらの薬を使用する場合は、医師と相談のうえで長期的な使用は避け、不眠が改善したら使用を中止することが大切です。

メラトニン受容体作動薬、オレキシン受容体拮抗薬などの睡眠薬は、異なる作用機序を持っており、比較的依存は起きにくいとされています。

睡眠薬を摂ると悪夢を見る?

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬や、オレキシン受容体拮抗薬を摂ると、悪夢を見やすくなるといわれています。

ただし正確にいうと、悪夢を見ることが増えるわけではなく、レム睡眠が増加することが原因と考えられます。ノンレム睡眠とレム睡眠のどちらも夢を見ますが、浅いレム睡眠のほうが記憶に残りやすいため、悪夢が増えたとの印象になる可能性が高いです。

悪夢は寝る前の不快な気分が関係しているとされているため、悪夢を誘発する刺激的な環境を避けたり、ストレスを軽減したりする工夫をすると良いでしょう。

不眠治療は保険適用される?

不眠治療にも、保険適用は可能です。

ただし、保険適用には、処方日数や何種類の薬を処方できるかなどのルールが定められています。そのため、不眠治療の内容によっては適用外となる可能性もあるので、注意が必要です。また、オンライン診療クリニックの中には、保険治療に対応していないところもあります。

不眠治療は何科に行けばいい?

不眠治療を扱っているのは、主に内科や心療内科、精神科です。

内科では、さまざまな体の不調を扱います。体の別の病気が不眠の原因となっている場合は、病気に応じた治療が可能です。一方、心療内科や精神科は、心理的な要因や精神疾患を中心に扱います。不眠症の背景にある、心理的な要因を探せるのが特徴です。

まとめ

厚生労働省によるオンライン診療の指針の改定により、不眠治療の診療も受けられるようになりました。睡眠薬についても、向精神薬に指定されていないものについては、初診での処方が可能です。オンライン診療は、専用アプリやLINEなどのビデオ機能を使用して行います。

夜24時まで診療を行っているクリニックもあり、仕事が忙しい方にとっても便利です。さまざまな事情でクリニックへの通院が難しい方は、手軽に受診できるオンライン診療を検討してみてはいかがでしょうか。

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こちらの記事の監修医師

西澤 康平

大通公園メンズクリニック西澤 康平 先生

はじめまして「大通公園メンズクリニック」の院長、西澤康平です。

全国のメンズクリニック院長として長年培った経験とノウハウを元とし、これまでにないメンズクリニックを作りたいという思いから、この度当院を開院することとなりました。
当院は、薬剤の効果や服用上の注意点については勿論のこと、費用面についてもしっかりとご説明をして、全ての患者様に対して不安なく受診していただける「わかりやすさ」をモットーとしたクリニックです。
また、プライバシー保護や、土日、祝日、平日夜間も診察を受付けることで、いつでも立ち寄っていただける、患者様の立場に立った「利用しやすさ」にも力を入れています。
アクセスは地下鉄大通駅徒歩1分、地下歩行空間直結(26番出口直結)となっておりますので雨や雪の日も安心して通って頂けます。
みなさまのご来院を心よりお待ち申し上げております。

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