仙台市産科セミオープンシステムによる妊婦健診をはじめ、婦人科外来にも力を注ぎます。
一般診療から、院長の専門性を生かした婦人科腫瘍の分野では、的確な診断と治療で患者様に安心安全の医療を提供いたします。
そのほか、『予防』を中心とした医療にも注力しています。子宮がん検診や乳がん検診、子宮頚がんワクチン接種、超音波断層法(エコー検査)による卵巣腫瘍や子宮筋腫は、当院へご相談ください。
淋病(りんびょう)とは、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)とよばれる病原菌に感染することで発症する性感染症の1つです。
現在、日本でもっとも感染報告の多い性感染症であるクラミジアについで、この淋病もまた若い世代を中心に感染者が多くなっています。
感染症発生動向調査における淋菌感染症の報告数は、2002-2003年をピークに減少してきており、2016年以降は男性、女性ともほぼ横ばいです。
一方で、国内では若年人口が減少してきていることから、若年者における淋菌感染症の罹患率を見ると、更に増加してきている可能性があると考えられます。
本記事では、淋病(淋菌感染症)の診療をしている医師に監修していただき、女性・男性別の症状と潜伏期間を解説しています。
目次
淋菌感染症は、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)を病原菌とする感染症です。、
男性の場合は尿道や肛門、女性の場合は膣に感染します。によって感染し、生殖器を中心に炎症を起こす性感染症の1つです。
近年淋病の薬剤耐性化が世界的な問題となっており、徐々に耐性を持つ薬剤の種類が増加しているため、治療後には薬剤感受性検査を実施してより有効な抗菌薬を使用することが必要な場合があります。また、淋病と同時に他の性感染症に感染している場合には、併存する感染症に対しても適切な治療を受ける必要があります。
淋病はクラミジアと並んで感染している人の多い性病であり、最近、淋菌の抗菌薬耐性化が問題となっています。抗菌薬耐性化が進むと淋菌に対して使える抗菌薬がなくなり、淋病の治療が非常に難しくなることを示しています。
淋病は、淋菌が原因となって発症する性感染症の1つであり、潜伏期間は2〜7日ほどです。
淋菌感染症は、生殖器を中心に炎症を起こす性感染症の1つであり、咽頭粘膜(喉の粘膜)にも感染します。男性の場合は尿道炎、女性の場合は子宮頸管炎を起こすことが多く、若い世代では男女差は小さく、若い女性にも感染が拡大しています。感染部位は性行為によって決まり、潜伏期間は2〜7日ほどです。肛門淋病については、医師による採取は新宿院のみとなりますが、自己採取の方は新橋院でも検査できます。感染を放置すると重症化を引き起こし、淋菌の抗菌薬耐性化が問題となっています。
淋菌感染症ともよばれます。
病原菌は性行為などによって、性器やのど、直腸などに感染します。自然治癒はしませんので、早期に適切な治療
潜伏期間とは、病原体に感染してから、体にはじめて症状が現れるまでの期間です。
感染の疑いがある病原体によって、この潜伏期間は異なります。
淋病の場合、潜伏期間は2〜7日と考えられています。
日本で最も多い性感染症であるクラミジア感染症は、1〜3週間程度と考えられているため、淋病は比較的早く発症する感染症であることがわかります。
しかし、この日数はあくまでも目安でしか過ぎません。個人差はありますので、症状の有無で判断するのではなく、少しでも感染の疑いがある場合や不安を感じている方は、一度、早めに検査することが望ましいです。
淋病は自然に治ることはありません。治療をしないと他の人へうつしてしまうリスクがあるため、たとえ自覚症状がなくても治療を受けることが大切です。
淋病に限らず、性感染症は性器以外にも感染し、症状が出ることもあります。
そのため、性感染症に心当たりのある方は、性病科での検査が推奨されます。
お近くに性病科のクリニックがない場合でも、男性であれば泌尿器科を、女性であれば婦人科で淋病(性感染症)の検査をすることができます。
たとえば性器に痛みや違和感がなくとも、のどの腫れや痛み・違和感などを感じている場合は、耳鼻咽喉科への受診をおすすめします。
また性器そのものではなく、その周囲など皮膚に症状が出ている場合は、皮膚科への相談でも問題ありません。
肛門に痛みや違和感がある場合は、肛門科を受診しましょう。
淋病の原因、主な感染経路は性行為や性交類似行為です。
感染部位(性器)の粘膜・分泌物が接触することで、必ず人から人へと感染すると考えられています。
1回の性行為で感染する確率は30〜50%と、性感染症の中でも感染力は比較的高いです。
よく「性行為以外での感染経路はないのか?」という質問をされる患者さんもいらっしゃいますが、その可能性は極めて低いと考えられています。
淋菌はとても弱い菌で、患者の粘膜から離れると数時間で感染性を失います。そのため、淋菌は単独で存在することはできず、お風呂やトイレで簡単にうつる病気ではありません。
淋病の感染経路は性行為と解説しましたが、感染部位は「性器」だけではありません。
オーラルセックスと言われる、いわゆる「口や舌を使って相手の性器やその周辺を刺激する性行為」でも、淋病に感染するリスクは十分にあります。
具体的には、口(くちびる、口内の粘膜、のど)から性器への感染と、性器から口への感染が起こり得ます。
とくに、性器から口へ感染した場合、口内に病原体が感染しても症状が出ないことが多いです。
そのため、自分自身が感染していることに気づかずにオーラルセックスを行い、相手の性器に病原体をうつしてしまう可能性があります。
オーラルセックスの際には、コンドームの使用で感染リスクを低減することができます。
また、キスによっても淋病の感染が広がることがあります。
ディープキスやフレンチキスのように、粘膜同士が接触する可能性の高いキスによって、淋菌が移るリスクは十分に考えられます。
ウイルス感染は「一度、感染すると体内に免疫ができる」と考えていらっしゃる方も少なくありません。
しかし、淋病の病原体である淋菌は、たとえ一度感染したとしも免疫を獲得することはできません。
そのため、感染して適切な治療をした後でも、また性交などによって再び感染してしまったり、他の方にうつしてしまう可能性があります。
しっかりと予防をして、もし感染の疑いがあった場合は早急に治療をするしかありません。
女性の淋病感染の特徴の1つとして「初期症状が軽く、無症状の場合が多い」という点が挙げられます。
たとえ症状が出たとしても、淋菌感染症の特徴的な症状ではなく、膀胱炎や膣炎と誤診されることがあります。
排尿時の痛みや熱感、そして黄色や血液が混じった膣分泌物です。
淋病の感染を放置すると、子宮頸管炎とよばれる合併症を引き起こす可能性が高いです。
子宮頚管炎を患うと、強い腹痛や発熱が現れることがあります。しかし、必ず症状が出るとは限りません。人によっては無症状の場合もあります。
子宮頚管炎の治療を怠ると子宮の痛みを誘発し、やがて骨盤内で炎症を起こすと不妊症の原因となります。
また子宮外妊娠などの原因にもなり、時に命に関わる場合もあるため注意が必要です。
妊娠中に淋病に感染してしまうと、早産や流産を引き起こすリスクが高くなるため注意が必要です。
また産道を通じて赤ちゃんに感染すると、目・関節・血液の炎症を引き起こし、胎児の命にかかわることもあります。
これらの合併症を防ぐためには、性感染症の早期発見と早期治療がとても大切です。
少しでも性感染症の疑いや心当たりがある場合は、早急に婦人科へ相談することをおすすめします。
男性の場合、淋病に感染すると「尿道炎」を引き起こします。
尿道炎の症状には、
尿道の違和感、かゆみ、激しい痛み、黄白色でどろっとした膿が出る
などがあげられます。
淋病を放置していると、尿道から淋菌が精巣上体まで移動して、精巣上体炎を引き起こすリスクが高まります。
精巣上体炎を発症すると、陰嚢(いんのう)に腫れや痛みの症状が現れます。はじめは片側の精巣の炎症が起こり、やがて両側に広がることもあります。
この精巣上体炎は、無精子症の原因にもなる怖い病気です。無精子症とは精液中に精子が全く見られなくなってしまうとても怖い病気です。
淋菌感染によって炎症が起こり、精子の通り道を閉塞することが原因と考えられています。
オーラルセックスやキスによって喉(のど)に感染する淋菌は、「咽頭淋菌」と呼ばれます。
喉に感染すると、痛みや腫れ、咳・発熱といった風邪に似た症状が現れます。
しかし、ほとんどの方は症状が出ないことも多く、たとえ喉に痛みや違和感を覚えても、性感染症が原因だとは自覚しにくいようです。
他の性感染症と比べても、この咽頭淋菌は感染力が高く、一度の性行為で30%の確率で感染する可能性があります。
そのため、感染していることに気づかないまま性行為を行い、感染を広げるケースが多いのです。
淋病が疑われる場合、医療機関で適切な検査・診断をすることが望ましいです。
淋病は感染経路によって感染部位が異なり、検査方法もそれぞれ異なります。
患者さんの状況に合わせて、正しい検査方法を選定することが大切です。
また、どの検査でも、性行為後から24時間以上経過していれば、淋菌の検出ができると考えられています。
まずは検査・診断の方法を知ることから始めましょう。安心して検査・治療を受けることができます。
男性の性器への淋菌感染を調べる場合は、尿検査によって尿道炎の有無を調べます。
尿検査では、必ず出始めの尿を採取して、尿中の白血球の数を確認します。
白血球が増加している場合は尿道炎と診断されます。
判定方法は、細菌培養検査あるいは淋菌の遺伝子を調べるPCR法のいずれかで行われます。
また、治療後の治癒判定でも、尿検査による白血球の増加の有無を調べます。(血液検査は行いません)
もし性器への感染が認められたら、念の為、咽頭淋菌の検査(喉の検査)も同時に実施することをおすすめします。
女性の性器への淋菌感染を調べる場合、まずは子宮頸管を専用の柔らかい綿棒で擦り、粘液を採取します。
この採取した粘液に淋菌の存在が確認できたら、淋菌性子宮頸管炎と診断されます。
判定方法は、グラム染色による検鏡、分離培養法、核酸増幅法などの方法があります。
もし性器への感染が認められたら、念の為、咽頭淋菌の検査(喉の検査)も同時に実施することをおすすめします。
喉(のど)への淋菌感染を調べる場合、まずは喉の検体を採取します。
喉を綿棒で拭って粘膜を採取する方法と、うがいをして「うがい液」を採取する方法があります。
検体を採取したら、淋菌の有無を確認します。
判定方法は、グラム染色による検鏡、分離培養法、核酸増幅法などの方法があります。
咽頭淋菌が認められた場合は、喉だけではなく性器にも感染している可能性が考えられます。合わせて性器の検査も実施すると安心です。
淋菌性尿道炎の治療は、淋菌感染を引き起こす淋菌に対して、抗生物質を内服することで感染を治します。
また、抗生物質の内服が難しい場合や、症状が重い場合は、筋肉注射によって抗生物質を投与する場合もあります。
女性の場合も男性と同様に、淋菌感染を引き起こす淋菌に対して、抗生物質を内服することで感染を治します。
無症状の場合は、1回のみの内服で治療できる場合もありますが、骨盤内まで進行し下腹痛など比較的強い症状が出ているケースでは、数日間の治療が必要となる場合もあります。
また、淋菌性子宮頸管炎によって何らかの合併症が発生した場合には、合併症の治療も必要です。たとえば子宮内膜炎や腹膜炎が発生した場合には、抗生物質の投与に加え、手術が必要になることもあります。
いがらしレディースクリニック五十嵐 司 先生
仙台市産科セミオープンシステムによる妊婦健診をはじめ、婦人科外来にも力を注ぎます。
一般診療から、院長の専門性を生かした婦人科腫瘍の分野では、的確な診断と治療で患者様に安心安全の医療を提供いたします。
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