甲状腺は、のどの前面にはりついている臓器です。のどにある軟骨のあたり、男性でいう「のどぼとけ」のやや下に位置しています。甲状腺は、甲状腺ホルモンを分泌する器官として機能しています。
甲状腺機能低下症とは、この甲状腺ホルモンを分泌する機能が何らかの理由で低下してしまう病気です。
甲状腺の病気は、男性よりも女性の方に多くみられ、とくに40〜50代の女性に頻出する傾向にあります。該当している方には、是非知っておいて欲しい病気です。
本記事は、甲状腺の病気に関して診療にあたっている医師に監修していただき、甲状腺ホルモンが低くなってしまう原因と症状を解説しています。
甲状腺機能低下症とは
甲状腺ホルモンが不足してしまい、さまざまなな症状があらわれる病気の総称を、甲状腺機能低下症といいます。この病気は「何が問題で甲状腺ホルモンが低下するのか」によって、大きく3つのタイプに分かれます。
まず1つ目は、甲状腺そのものに何らかの問題が生じている状態です。原発性(甲状腺性)と呼ばれます。甲状腺機能低下症でもっとも多いのが、この原発性のタイプです。
2つ目は、脳下垂体(のうかすいたい)の問題で甲状腺への刺激が弱まっているケースです。これを、二次性(下垂体性)といいます。 脳下垂体は頭蓋骨のちょうど真ん中あたりに位置する器官です。甲状腺ホルモンは、この脳下垂体からの甲状腺刺激ホルモンに刺激されることで分泌が促されます。その司令がうまく届かなくなることで、結果的に甲状腺の機能が低下します。
3つ目は、視床下部(ししょうかぶ)に問題が生じているケースです。視床下部は脳の一番奥にある器官で、器官甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンをだしています。 このホルモンが脳下垂体へ刺激し、そして脳下垂体が甲状腺へ刺激することで、甲状腺ホルモンが放出されます。 つまり、甲状腺ホルモンの分泌を促すために必要な、大元となる刺激ホルモンです。
この2つ目、3つ目のタイプは、ともに脳にある甲状腺のホルモン分泌をコントロールする器官に問題があるために発病するものです。中枢性甲状腺機能低下症とも呼ばれます。
甲状腺ホルモンの役割
甲状腺ホルモンは、全身の細胞の代謝をあげる重要な役割を担っています。心拍数や体温、血糖値を上昇させて脳の反応性を高めます。体の成長、発達には欠かせない大切なホルモンです。
一方で、甲状腺ホルモンが作られなくなってしまうと、代謝が低下して元気が無いような状態になります。
基礎代謝を上げる 心拍数を増やして血圧を上げる 糖の吸収を促して血糖値を上げる 骨格筋でたんぱく質を異化する
* 中枢神経系を刺激する 代謝には、同化と異化があります。 栄養素を取り入れる代謝を同化、栄養素を使う代謝を異化といいます。 同化と異化のバランスが取れていると、本来は体重の増減はありません。
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