肩こり解消法は？痛みの原因と隠れた病気を解説

肩こりは、正式には「頸肩腕症候群」といいます。病態としては、首・肩・背中の筋肉の緊張状態が続くことで血行障害を起こし、筋肉が疲労した状態です。

人間は進化の過程で、四足歩行から二足歩行になり、重い腕や肩甲骨を肩からぶら下げて歩行するようになりました。そして当然ながら、肩の筋肉には、その重さがのしかかるようになりました。また直立するようになったことで、頭部を首と肩で支えなければいけなくなりました。頭部の重さは、一般的に約６〜７キロと言われています。より一層、首周辺の筋肉には負荷が増えたのです。

これまで肩こりの発症は、首・肩・背中の筋肉量に関係していると考えられていました。その理由は、肩こりが欧米人に比べて小柄な日本人に多い症状であること、また男性よりも筋肉量の少ない女性の方が肩こりに悩まされるケースが多いという点があげられます。

しかし、ある調査で年代別に肩こりに悩まされている方を調べたところ、肩こりは40〜50代に多いことがわかりました。そして加齢によって筋肉量が減少するはずの60代以上の年代では、肩こりの悩みは減少していることがわかったのです。

これらの結果から、肩こりは筋肉量だけではなく、年代特有の生活習慣が関与していることがわかりました。

日々、肩こりに悩まされている方は、痛みを引き起こす要因を理解し、生活習慣を見直すことで、肩こり解消を目指しましょう。

肩こり解消の方法はその要因によってさまざまです。また、軽度の肩こりはマッサージなどで一時的に症状は解消されますが、それだけではすぐに再発してしまいます。

さらに、首や肩周辺の痛みの中には、頸椎や肩関節の病気から起こっているものも多くみられます。放っておくと、さらに深刻な病態に進行することもあるため、繰り返す肩こりに悩まされている方は、適切な検査診断を受けることが大切です。

肩こりは、首・肩・背中の筋肉が疲弊した状態です。その要因のほとんどが、筋肉の緊張状態による血行障害であると考えられます。では、なぜ筋肉は緊張状態に陥ってしまうのでしょうか。いくつかの要因があげられます。

肩こりと姿勢不良の関係

筋肉の緊張状態は、筋肉を動かさず、長い時間、同じ姿勢を保ち続けることで起こります。

長時間のデスクワーク、車の運転のほか、スマホやタブレット、パソコンの普及によって、体に負担がかかる姿勢で長時間過ごすようなシーンが多くなりました。

肩こりと運動不足の関係

日頃の運動不足が、さらに筋肉の緊張状態に拍車をかけます。運動不足だと、筋力の低下によって筋肉が緊張しやすくなります。

肩こりとストレスの関係

私たちの体には、自律神経とよばれるものがあります。自律神経は意思とは無関係に作用し、消化、血流、発汗など、生命の維持には不可欠であるさまざまなな機能を調整する役割を担います。自律神経には交感神経と副交感神経があり、この２つのバランスが崩れると悪影響を及ぼします。